JICEレポート
JICE REPORT 第33号
表紙
◆永代橋(えいたいばし)
東京都中央区と江東区を結び隅田川に架かる永代橋は、江戸時代元禄年間に架橋されてから、形を変えながらも現代まで重要なインフラとして役割を果たしてきた。
歴史を紐解いてみると、様々な危機に直面した経験を持つ。財政難を理由に幕府による橋の維持が困難となった際には、民間に管理を移行し通行料の徴収で廃橋を免れた。その後も1807年(文化4年)に日本史上最大といわれる落橋事故が発生するなど、落橋や流出に見舞われ、架け替え工事は幾度も行われた。1897年(明治30年)に現在地に移設され、道路橋としては日本初の鋼製トラス橋として再架橋された。構造が頑丈であったことから路面電車も敷設されたが、橋底や橋板に木材を使用していたため、大正13年の関東大震災で焼け落ちてしまう。
現在の形となったのは大正15年である。関東大震災における帝都復興のシンボルとなっている。悲劇の歴史を歩みながらも、どの時代においても町の発展に寄与してきた橋であるといえる。
2007年には、都道府県の道路橋として初めて、同じ隅田川の勝鬨橋、清洲橋とともに国の重要文化財に指定されている。
(撮影場所:東京都中央区)
もくじ
ページ番号 | 内容 |
001 | |
002 |
研究報告 ●河川政策グループ 首席研究員 / 朝日向 猛 |
010 |
河川政策グループ 首席研究員 / 銭谷 秀徳 |
014 |
公共空間の活用・維持管理と連動したエリアマネジメントの現状と課題 ●都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 / 佐々木 正 |
020 |
●道路政策グループ 首席研究員 / 谷口 宏 |
024 |
未来への投資 新たな価値・文化空間としての「みち」の創出 〜道路空間委員会 提言とりまとめ〜 ●道路政策グループ 首席研究員 / 野平 勝 |
028 |
●技術・調達政策グループ 研究主幹 副総括 / 阿部 俊彦 |
032 |
国土政策研究所 講演会 ●中央大学研究開発機構 教授 / 福岡 捷二 氏 |
048 |
寄稿 ●前 国土交通省九州地方整備局 熊本河川国道事務所長 / 森田 康夫 氏 |
048 |
洪水被害からの復活までの道のり〜平成28年台風第10号による小本川の氾濫と対応、ご支援について〜 ●岩泉乳業株式会社 取締役副社長 / 下道 勉 氏 |
059 |
事業紹介・事業報告 ●情報・企画部 首席研究員 / 田邊 輝行 |