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国土を知る / 意外と知らない日本の国土

水害や土砂災害の危険

日本は、国土の7わりが山地や丘陵地きゅうりょうちで、傾斜けいしゃが急なきびしい地形が多くあります。このため、川の流れが速く、ひとたび大雨がると、森林の土が吸収きゅうしゅうすることができる水の量を一気にこえてしまい、川に流れ出します。わずかの時間のうちに水かさが増し、洪水こうずいなどの災害が起こりやすくなります。

また、山の傾斜けいしゃが急な場所や切り立った山がせまるような場所では、台風や集中しゅうちゅう豪雨ごううなどによって、水と土砂(どしゃ)もうスピードで一緒に流れ出る「土石流どせきりゅう」、山ごと地面がすべり落ちる「地すべり」、「がけくずれ」などの土砂どしゃ災害さいがいが発生する危険きけんがあります。

水害や土砂(どしゃ)災害について調べてみましょう。

梅雨(つゆ)秋雨(あきさめ) (つめ)たい空気と(あたた)かい空気の入れ替わりの時期に長雨が()

日本は、春夏秋冬の四季がありますが、春から夏への変わり目には梅雨(つゆ)、夏から秋への変わり目には秋雨(あきさめ)という雨が多い時期があります。梅雨(つゆ)秋雨(あきさめ)もかんたんに言うと、日本の北側の(つめ)たい高気圧(こうきあつ)と南側の(あたた)かい高気圧(こうきあつ)し合いです。

春から夏への変わり目には、南側の(あたた)かい高気圧(こうきあつ)が北側の(つめ)たい高気圧(こうきあつ)を北にし上げようとします。暖かい空気と冷たい空気がふれあうところ雲ができ雨を()らせます。これが梅雨(ばいう)前線(ぜんせん)です。2つの高気圧(こうきあつ)の力が同じだと、梅雨(ばいう)前線(ぜんせん)が北にも南にも動かなくなるので、日本の上空にとどまって長く雨を()らせます。

梅雨の時期の日本

夏から秋への変わり目は、梅雨(つゆ)の逆です。夏が終わりの近づくと(あたた)かい高気圧(こうきあつ)の力が弱くなり、北の(つめ)たい高気圧(こうきあつ)の力が強くなってきます。暖かい空気と冷たい空気がふれあうところに雲ができ雨を()らせます。これが秋雨(あきさめ)前線(ぜんせん)です。

この時期は台風も来ます。台風が水分を多く含んだ湿しめった空気を南から北に流すので、秋雨(あきさめ)前線(ぜんせん)で冷たい空気にふれて一気に冷やされ、さらに雲が発達し大雨が()ります。

秋雨と台風の時期の日本

1時間に50ミリ以上の大雨が()る回数が増えている

1時間に50ミリの雨とは、かさが役に立たなくなるような非常に強い大雨です。1時間に50ミリ以上の大雨が()る回数が最近10年の増えています。2000〜2009年(平成12〜21年)の10年間の平均回数は年220回になっています。

1時間に50ミリ以上の大雨の回数

写真 石川県金沢市の浅野川のはんらん(平成20年7月28日の豪雨による)

図 平成21年度の国が管理する河川の増水の状況

土砂(どしゃ)災害(さいがい)の平均年間発生件数は1000件をこえる

1979〜2008年(昭和54〜平成20年)の過去30年間の土砂(どしゃ)災害(さいがい)件数は1年間あたり平均937件ですが、1999〜2008年(平成11〜20年)の最近10年間では1年間に平均1051件と増加しています。

また、毎年がけ(くず)れの発生件数が多くなっています。最近10年間の発生件数では、およそ3分の2ががけ(くず)れです。

土砂災害発生件数

98%の市町村で水害・土砂(どしゃ)災害(さいがい)が発生している

1999〜2008年(平成11〜20年)の10年間に、98%の市町村で1回以上の水害・土砂(どしゃ)災害が発生しています。10年間に10回以上も水害・土砂(どしゃ)災害が発生した市町村が60%以上もあります。

全国の水害・土砂災害の発生状況(1999〜2008年(平成11〜20年))

水害による被害(ひがい)金額は10年間で2倍になった

グラフの赤い線を見てみましょう。水害による被害(ひがい)金額を比較すると、1995年は約1622億円でしたが、2004年には約4360億円(物価(ぶっか)は年によって変わるので1995年の物価(ぶっか)で計算)となり、10年間で2.6倍以上になりました。

グラフの青い線は、浸水(しんすい)面積1ha当たりの被害(ひがい)金額です(専門用語(せんもんようご)で「水害(すいがい)密度(みつど)」と言います)。1995年の約2123万円に対し、2004年には約4494万円と、10年間で2倍以上になりました。

水害被害の状況