国土を知る / 意外と知らない日本の国土
水害や土砂災害の危険
日本は、国土の7
また、山の
水害や土砂災害について調べてみましょう。
梅雨と秋雨 冷たい空気と暖かい空気の入れ替わりの時期に長雨が降る
日本は、春夏秋冬の四季がありますが、春から夏への変わり目には梅雨、夏から秋への変わり目には秋雨という雨が多い時期があります。梅雨も秋雨もかんたんに言うと、日本の北側の冷たい高気圧と南側の暖かい高気圧の
春から夏への変わり目には、南側の暖かい高気圧が北側の冷たい高気圧を北に
夏から秋への変わり目は、梅雨の逆です。夏が終わりの近づくと暖かい高気圧の力が弱くなり、北の冷たい高気圧の力が強くなってきます。暖かい空気と冷たい空気がふれあうところに雲ができ雨を降らせます。これが秋雨前線です。
この時期は台風も来ます。台風が水分を多く含んだ
1時間に50ミリ以上の大雨が降る回数が増えている
1時間に50ミリの雨とは、かさが役に立たなくなるような非常に強い大雨です。1時間に50ミリ以上の大雨が降る回数が最近10年増えています。2012〜2021年(平成24〜令和3年)の10年間の平均回数は年約327回で統計期間の最初の10年間(1976〜1985 年)の平均年間発生回数(約226回)と比べて約1.4倍に増加しています。
土砂災害の平均年間発生件数は1500件にせまっている
2002〜2011年(平成14〜平成23年)の過去10年間の土砂災害件数は1年間あたり平均1150件ですが、2012〜2021年(平成24〜令和3年)の最近10年間では1年間に平均1450件と約1.3倍に増加しています。
また、毎年がけ崩れの発生件数が多くなっています。
しかも土砂災害のうち、3分の2以上ががけ崩れです。
97%の市町村で水害・土砂災害が発生している
2008〜2017年(平成20〜29年)の10年間に、約97%の市町村で1回以上の水害・土砂災害が発生しています。10年間に10回以上も水害・土砂災害が発生した市町村が約55%もあります。
水害による被害額が過去最大になった
グラフの赤い線を見てみましょう。水害による被害金額を比較すると、1995年は約1622億円でしたが、2004年には約4360億円(物価は年によって変わるので1995年の物価で計算)となり、10年間で2.6倍以上になりました。
グラフの青い線は、浸水面積1ha当たりの被害金額です(専門用語で「水害密度」と言います)。1995年の約2123万円に対し、2004年には約4494万円と、10年間で2倍以上と被害金額は増えています。
2019年度(令和元年度)の水害による被害額は、全国で約2兆2千億円となり、1年間の津波以外の被害額として過去最大となりました。
また、令和元年東日本台風による被害額は約1兆9千億円となり、一度の水害による被害額は、過去最大となりました。