JICE 一般財団法人国土技術研究センター

技術研究発表会

第37回 技術研究発表会について

第37回 技術研究発表会をオンデマンド配信いたします

 一般財団法人国土技術研究センター(JICE)は、昭和48年に設立以来、今年で50周年を迎えます。この間JICEは、高度な建設技術に関する調査研究機関として社会に貢献して参りました。

 調査・研究の成果を、広く国民の皆様や多くの政策担当官、専門技術者の方々に還元することは一般財団法人の役割として極めて重要であることから、公益事業の一環として、例年7月に「技術研究発表会」を開催しております。今年度は、会場およびオンライン配信のハイブリッド方式で開催をし、1000名近くの方にご参加頂きました。また、以下にて、オンデマンド配信することといたしました。

第37回 技術研究発表会プログラム

『GXに関わる世界の情勢と、インフラ分野の貢献』 
  ーー 東京大学未来ビジョン研究センター教授 高村 ゆかり 氏

概要

気候変動対策は国際的な潮流であり、我が国でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けた二酸化炭素(CO2)の削減は不可避の課題である。我が国のCO2排出量約10億トンのうち約3分の2が国土交通分野、インフラ分野に関連するものと言われている。

本講演では、サステナブルな社会を実現するためのグリーントランスフォーメーション(GX)について、国際情勢なども踏まえた背景や日本の課題、今後の方策におけるインフラ分野の貢献について紹介する。

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発表資料

『インフラの未来とJICEのミッション』
  ーー (一財)国土技術研究センター理事長 徳山 日出男

概要

2023年は新たな国土形成計画(全国計画)が策定され、今後は広域地方計画に展開されていくなどインフラにとって重要な節目となることを踏まえ、本講演では河川、道路、都市、技術・調達それぞれの分野の新施策の方向性を示す。

また、創立50周年を迎えた当財団のミッションとして、国土交通行政を先導・補完する組織としての取り組みを紹介する。

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発表資料

JICEREPORT

『来たるべき脱炭素社会に向けたインフラ分野の可能性と脱炭素調達の導入に向けたロードマップ』
 ーー 技術・調達政策グループ 総括 井上 清敬

概要

脱炭素社会に向けた社会目標の達成に向け、我が国全体のCO2排出量の約6割を占めているインフラ分野の取り組みは欠かせない。特に、約13%を占める建設現場や約15%を占める道路分野、約4割を占める都市分野は脱炭素化に向けて大きな役割を果たすことが期待される。また、河川分野は水力ダムによってCO2排出量の3.6%に相当する再生可能エネルギーを既に創出しているが、更なる貢献の余地がある。

本発表では、これらの各分野において今後、取り組むべき施策を具体に例示しつつ示すとともに、特に建設現場について、その排出量の大半がサプライチェーンに起因するものであることを踏まえ、脱炭素調達の導入に向け具体化すべき取り組みを提案する。

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JICEREPORT

『カーボンニュートラルに着目した都市施策の再構築とその評価等に関する問題提起』
ーー 都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 佐々木 正

概要

我が国のCO2排出の約5割が都市活動に由来しており、都市の低炭素化は社会全体で環境対策に取組むために重要な位置を占めている。そのため、住まい方や土地利用のあり方等、都市構造の変革や行動変容等の総合的な取り組みを官民連携で進める必要があるが、それらの施策効果を都市全体で検証できるデータはほとんどない。

本発表では、カーボンニュートラルという切り口で都市施策の体系を再構築する必要性、並びに都市施策の効果を長期的にモニタリングし、可視化し、評価し、共有する必要性について問題提起を行う。

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JICEREPORT

『これからの流域治水の展開 〜リスクコミュニケーションと災害伝承〜』
ーー 河川政策グループ 総括 田中 敬也

概要

流域治水関連法が公布されてから2年が経過し、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の本格的実践が全国で進められている。流域治水を推進し住民のいのちとくらしを守っていくうえでは、水害を自分事としてとらえ、水防災意識を高めることが必要不可欠である。

本発表では、人の意識に働きかけて水防災意識の変革を図る「災害伝承」に関する新たな取り組みについて提案する。また、流域治水の推進に寄与する流域内のステークホルダーに向けた水害リスクの評価に関する今後の調査研究についても紹介する。

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発表資料

『流域治水の実現に向けての”粘り強い”堤防技術の開発』
ーー 河川政策グループ 主任研究員 味方 圭哉

概要

流域治水の考え方は、昨今の水災害の激甚化を踏まえて河川区域のみならず氾濫域全体で氾濫を防ぎ、または減らし、被害を減少させることを目的としてハード・ソフト一体で進めるものであるが、ハード対策の一つとして越水に対して粘り強い河川堤防に関する研究を進めている。

本発表では、粘り強い河川堤防の設計手法を確立するにあたっての技術開発目標を示すとともに、粘り強い河川堤防に求める性能と機能について、自立型特殊堤を例に検討結果を報告する。

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JICEREPORT

『道路計画論の再構築』
ーー 道路政策グループ 総括 牧野 浩志(代理発表:副総括 乙守和人)

概要

わが国の道路ネットワークをつぶさに観察するとボトルネックでの渋滞や昼夜間の稼働率の違いなどにより道路の持つ容量を十分活用できていない状況が生じている。また、生産性の向上や増大する物流への対応などの新たな社会ニーズへの対応も求められている。一方、移動体のプローブ情報や画像解析による交通量把握など道路の実容量やボトルネックを的確に把握することが可能となってきた。

本発表では、新たな社会の課題や新しい技術の動向を踏まえ、移動のサービスレベルを確保するという視点からの「道路計画論の再構築」の必要性について述べる。

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発表資料

『データに基づき長寿命化を促す道路舗装マネジメントの充実に向けて』
ーー 道路政策グループ 研究員 白尾 仁知

概要

直轄国道の道路舗装において、舗装点検要領(平成28年策定)による点検1巡目結果を分析した結果、修繕を要する区間の約2〜3割が早期劣化区間であり、また、その区間で従来の損傷要因に加え、新たに土地の成り立ちに起因した早期劣化が存在することを説明する。

本発表では、損傷要因に着目した診断方法による詳細調査、それに基づいた的確な修繕設計・施工により舗装の長寿命化を図りながらサービスレベルを高める舗装マネジメントの充実策を提言する。また長寿命化による効果として、CO2排出削減効果にも寄与する事を紹介する。

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発表資料

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