JICE 一般財団法人国土技術研究センター

JICEレポート

JICE REPORT 第39号

表紙

表紙は、地上雨量計の観測データ※1に基づき、2011 年から2020 年までの10 年間に、24 時間降水量の観測史上1位の値を更新した地点とその降水量を示している。観測地点1,044 か所のうち、4 割以上にあたる433 か所(41.4%)で値を更新している。
 中でも、令和元年東日本台風(台風第19 号)は、記録的な大雨をもたらし、関東甲信地方や東北地方など、103 地点で24 時間降水量の観測史上1位の値を更新し、140か所の堤防が決壊等して河川が氾濫した。地球温暖化に伴う気候変動の影響により、今後さらに大雨や短時間強雨の発生頻度、降水量が増加することが予測されており、大規模な水害の発生が懸念される。
 令和2年7月にとりまとめられた「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について」の答申では、流域のあらゆる関係者が協働して「水害を軽減させる流域治水」の考え方に基づく水災害対策を推進することが示された。気候変動の影響や社会状況の変化などを踏まえ、施設能力を超える洪水が発生することを前提に、社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築を一歩進め、流域治水への転換を推進し、防災・減災が主流となる社会を目指すことが求められている。

もくじ

ページ番号 内容
-

目次と特集について

001

JICE レポート39号について 

●一般財団法人国土技術研究センター 業務執行理事 川ア茂信

002

研究報告

流域治水に関する取組と展開 〜千葉県一宮川の検討を例として〜

●河川政策グループ 主席研究員 竹内 康彦

●河川政策グループ 副総括(研究主幹) 岡安 徹也

●河川政策グループ (併)都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 朝日向 猛

006

企業等における事業継続のための水害対応版BCP の取組について

●河川政策グループ 研究員 邱 中睿

●河川政策グループ 副総括(研究主幹) 岡安 徹也

●河川政策グループ (併)都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 朝日向 猛

012

総合土砂管理の現状と今後の展望について

●河川政策グループ 主任研究員 柳畑  亨

●河川政策グループ 副総括(研究主幹) 岡安 徹也

●河川政策グループ 副総括(研究主幹) 宇根 寛

●河川政策グループ 上席主任研究員 橋 正樹

018

立地適正化計画における防災指針を活用した事前防災型まちづくりの提案

●河川政策グループ (併)都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 朝日向 猛

●河川政策グループ 主席研究員 竹内 康彦

022

道路維持管理の高度化・効率化に向けたICT 等の新技術の活用のススメ

●道路政策グループ 首席研究員 松田 奈緒子

●道路政策グループ 上席主任研究員 藤村 万里子

●道路政策グループ 主席研究員 鶴田 直也

026

コンクリート工の生産性向上および地方への普及促進に向けた課題と展望

●技術・調達政策グループ 研究員 多田 ~

●技術・調達政策グループ 上席主任研究員 森 博之

●元 技術・調達政策グループ 主席研究員 松田 信彦

●元 技術・調達政策グループ 主席研究員 小田 稔

030

With コロナ・カーボンニュートラル時代における政策立案の際の視点

●技術・調達政策 グループ 副総括(首席研究員) 小宮 朋弓

●元・技術・調達政策 グループ 副総括(研究主幹) 隅藏 雄一郎

●元・技術・調達政策 グループ 主席研究員 藤田 博樹

034

国土政策研究所 講演会

国土強靭化に向けた水災害に対する新しい思想 〜流域治水の考え方〜

●中央大学研究開発機構 教授 山田 正

046

事業紹介・事業報告

JICE研究開発助成について

●情報・企画部 研究員 浅賀 久美子

048

前号の紹介