JICEレポート
JICE REPORT 第34号
表紙
東京都心に位置する大手町、丸の内、有楽町はわが国を代表するビジネスセンターのひとつである。徳川家康の江戸入府前は「日比谷入江」と呼ぶ東京湾の入り江であったが、幕府成立後は天下普請による埋め立てが行われ、大名屋敷が立ち並ぶまちとなった。明治維新後は、屋敷跡の大きな区画であることを利用して官庁街やビジネス街となった。
近年、高度経済成長期に建設された多くのビルが建て替え期となり、都市再生緊急整備地域などの特例制度を活用し、超高層ビルへと建て替える再開発プロジェクトが続いている。なかでも特徴的なのは、東京駅の復元工事にあたり特例容積率適用地区に指定し、東京駅の指定容積率の一部を周辺街区に移転(空中権を売却)することにより工事費用を調達した。また大手町合同庁舎の跡地再開発を足がかりに周辺の老朽化したビルを玉突き式に新しい再開発ビルへ移転させる連鎖型都市再生を行っていることである。
こうしたプロジェクトの工夫により、時代の進歩に対応した設備を備えたビル群に更新されただけでなく、夜間や休日には人影がまばらな無機質なビジネス街から一新し、アメニティに満ちた空間へと変貌を遂げ、世界都市・東京の顔として相応しい街並みの景観をつくりだしている。
もくじ
ページ番号 | 内容 |
001 |
年頭所感 ●一般財団法人国土技術研究センター 理事長 谷口 博昭 |
003 |
特集 ●河川政策グループ 研究主幹 総括 伊藤 和久 |
004 |
●日本科学技術ジャーナリスト会議 副会長 室山 哲也 氏 |
014 |
持続可能なインフラ整備のための建設現場の生産性向上に向けた取組 ●技術・調達政策グループ 研究主幹 副総括 阿部 俊彦 |
018 |
●河川政策グループ 首席研究員 柳澤 修 ●河川政策グループ 主任研究員 岡部 真人 |
024 |
●道路政策グループ 上席主任研究員 丸山 大輔 |
030 |
日本と東京のこれから 〜2050年を見据えたインフラ整備のあり方〜 ●明治大学 名誉教授 (一社)大都市政策研究機構 理事長 (一財)森記念財団 業務理事 市川 宏雄 氏 |
052 |
国土政策研究所 講演会 ●NHK鹿児島放送局 島川 英介 氏 |
065 |
研究報告 ●河川政策グループ 研究員 石川 直樹 |
075 |
事業紹介・事業報告 ●情報・企画部 主任研究員 山内 能章 |
077 |
●情報・企画部 首席研究員 田邊 輝行 |
081 |
●技術・調達政策グループ 首席研究員 山田 武正 |
086 |
国際交流 ・ 海外調査報告 ●道路政策グループ 上席主任研究員 丸山 大輔 |