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最新の助成研究

2020年度(第22回)研究開発助成の決定

「第22回(一財)国土技術研究センター研究開発助成制度」は、住宅・社会資本整備の課題に対して応募があった65件から、審査委員会での厳正な審査により、10件を採択することとなりました。

助成研究名・研究者氏名等

@安全に安心して暮らせる国土の実現に寄与するもの
助成研究名 研究の概要 所属・氏名
@安全に安心して暮らせる国土の実現に寄与するもの
災害被害想定地域に立地する保育施設計画と災害対策に関する研究 2020年度の調査により、子ども施設における災害対策にかかる費用、近隣住民との連携構築へのサポートは、自治体による差が大きいことが明らかとなった。本研究においては、全国の自治体を対象に子ども施設への災害対策に関するサポートの有無とその内容について調査を行う。更に、具体的な災害対策を講じている自治体の子ども施設へ災害対策制度の活用方法と有効性についてアンケートおよびインタビュー調査により明らかにする。以上を踏まえた上で、地理データにより各自治体および子ども施設における災害対策の有用性を検証し、防災・減災という観点から地域の福祉施設としての災害時の役割を見直し、新たな子ども施設計画・設計要件の提案に繋げる。

東京電機大学
未来科学部
建築学科 助教

■藤井里咲

A人・もの・情報が効率的に通いあえる国土の実現に寄与するもの
B心豊かに暮らせる快適で美しい国土の実現に寄与するもの
実測データを考慮した山地と河川・沿岸域の広域土砂動態・地形変化モデルの構築に関する研究 地球温暖化の影響が示唆される近年の豪雨災害に対し,ダムの容量確保の為の「排砂」は重要な課題である.また,海岸侵食はかねてよりの重要な課題であり,その両者を解決する「総合土砂管理」は近年注目される取組みである.その計画立案には,中流域の河床上昇の予測や実際の海岸線回復予測の為の「排砂・汀線変化シミュレーション」が重要であるが,今日用いられる一般的なモデルは,その定量的精度が乏しい.本研究では,実測データを取り込むことで定量的精度を有した,山地と河川・沿岸域の広域土砂動態・地形変化モデルを構築し,その現地適用によって,より実効性のある「総合土砂管理計画」を立案することを目的としている. 群馬大学大学院
理工学府環境創生部門 准教授
■鵜崎賢一
C水災害リスクと防災・減災に関する研究
浸水建物における効率的乾燥手順の立案に関する研究 本研究では,浸水建物の復旧における汚染物質の室内拡散抑制と床下乾燥を両立する独自の換気システムの立案を行い,浸水直後の住宅2棟に対して実践する。温熱環境や含水率のデータの推移を計測し,換気システムの有効性と改善点を検討する。また,熱流体解析と物質移動解析による換気システムの最適化を試みる。

信州大学

工学部建築学科

助教

■中谷岳史

流路変動の発現箇所と発現時期の科学的な推定のための尺度の構築 申請者らは,後述するエネルギー集積法を用いる流路変動箇所の推定法を開発してきた.しかし,流路変動には不明な物理が多く残り,これを一つの方法で推定すると不確実性が大きく,十分な信頼性を得られない.この解決のため,申請者らは交互砂州の伝播速度の推定式と,水深波長比を用いた河道の生来的な性質を把握する指標を開発した.2019年台風19号における千曲川を対象とした解析より,上記の2つの手法が実河川での適応性があること,また,模型実験より河床波の伝播速度を用いることで流路変動箇所の推定が可能であると示唆された.本研究では複数の手法により複眼的に流路変動の危険性を評価する手法の確立を目的とする. 新潟大学
災害・復興科学研究所准教授
■安田浩保
D河川堤防の信頼性評価に関する研究
河川水位変動による堤体の経年劣化メカニズムの解明 本研究では,河川水位変動に伴って堤体内で局所的な動水勾配変動が生じた結果,地盤材料内の細粒分の移動流失および蓄積が,長期的な透水係数分布に影響を及ぼすものとし,土/水/空気連成有限要素解析の中で,堤体の進行性破壊を表現することを試みる.ここでは,並行して河川水位変動を模した模型実験を行い,堤体内の細粒分の流失〜蓄積挙動を明らかにするとともに,実堤防において電気比抵抗探査を実施し,水位変動時の浸潤線変動を計測する.模型実験や実堤防における探査結果と比較し,透水係数の変化モデルを再構築し,シミュレーション精度を向上させるとともに堤体の経年劣化メカニズムを明らかにする.

近畿大学

理工学部

社会環境工学科

教授

■河井克之

F人中心や賑わい創出等を目的とした道路空間再構築に関する研究
近未来交通システム導入時の道路空間再配分に関する数理モデル研究 本研究は,特に渋滞が深刻な都市部の道路ネットワークを対象とする.その際に,道路ネットワークを一つの交通システムと見立て,道路空間再配分(e.g. 自動運転車専用レーン導入や給電施設配置)によって交通システムを最適化する手法を提案する.まず,現況把握として通勤時間帯における自動車交通のトリップ長と到着時刻の関係性を自動車プローブなどのビッグデータを用いて分析を行う.次に,現況を踏まえた上で新たなモビリティが導入された場合の行動を整理し,最適な道路空間再配分方法を数理的に解析し,その特性を明らかにする.最後に実際のネットワークでのシミュレーションに基づいた最適化手法の提案を行う.
東京大学大学院
工学系研究科
社会基盤学専攻
教授

■福田大輔

G人口減少社会における持続可能な都市の構築に関する研究
公民連携による公共空間ネットワークの形成に関する研究−札幌市を事例として−  札幌では、2000年策定の第4次長期総合計画において「魅力的で活力ある都心の整備」を重点テーマとして以来、公民連携による都心まちづくりを強力に推し進め、特に公共空間の確保、活用を積極的に進めている。この経緯と成果を、計画論、制度論、主体論及び実態論から詳らかにする。  具体的には、2000年以降に札幌都心で整備された公共空間の位置、空間構成、整備主体、運用内容、適用制度等を把握し、これらをネットワーク形成の視点で分析する。  これにより、持続可能な都市の一翼を担う人間活動の場としての都市の都心のあるべき姿を描写するとともに、公民連携による公共空間ネットワーク形成に関わる計画的知見を得る。
工学院大学
建築学部
まちづくり学科
教授

■星卓志

賑わいが街を変える – AIシミュレーションによる都市動態100年予測 - に関する研究 本研究では、人口減少や高齢化、巨大都市圏への人口集中が進む中、市街地の衰退が著しい地方都市の代表的再活性化政策である、コンパクトシティへの転換に焦点を当てる。自律的な住民の行動を、強制ではなく誘導することによりボトムアップ的に望ましい都市構造を実現する政策について、合成人口データに基づくAIシミュレーションモデルを用いて検証する。合成人口データは、全国民の世帯構成や就業状況などの統計情報を、AIによる機械学習によって分解合成し、個々の世帯を推定したものである。これにより、詳細な世帯情報に基づく都市動態モデルを構築し、ひと中心の賑わいを介した、持続的に発展可能な都市空間の自己組織的形成を促進する都市政策立案を目指す。
筑波大学
ビジネスサイエンス系 教授

■倉橋節也

H今後のあるべき建設生産システムに関する研究
リーンマネジメント実装による建設生産システム高度化の研究 建設ICTの導入で重要なことは,工事現場における課題抽出とその改善のための検討プロセスである.単に便利そうだという理由だけで闇雲にICTを導入しても満足な効果が得られるとは限らない.自らの課題抽出とそれをいかにして改善するのかという検討プロセスの中でICTの活用を考えることにより確実な導入効果が得られる.一般製造業では以前から生産現場における課題抽出と改善策の検討である「KAIZEN」を全体システムの最適化に繋げるリーンマネジメントが活用されている.本研究では,一般製造業を参考にすると共に2020年度の研究成果を活かし,個々の工事現場の状況に合わせてICTを適切に導入し,生産性の向上に確実に繋げることのできるマネジメント手法の確立をはかる.
立命館大学
経営学部経営学科
教授

■善本哲夫

I社会資本の戦略的な維持管理に関する研究
道路利用条件の変化や長寿命化技術の導入が舗装寿命に与える影響の定量的評価に関する研究 本研究では路面性状調査データを用いた統計的劣化予測により,現状のアスファルト舗装に対する寿命と劣化速度の推定を行い,このベンチマークケースとの相対比較を通して,道路利用条件の変化や長寿命化技術の導入が舗装寿命に及ぼす影響を定量的に評価可能な方法論を提案する.具体的には条件変化や長寿命化技術導入など,不可観測な要因を異質性パラメータとして表現可能な混合マルコフ劣化ハザードモデルを改良して,異質性パラメータが舗装の健全状態に応じて段階的に変化する劣化予測モデルおよび推定アルゴリズムの開発を行い,供用の途中段階で生じる道路利用条件の変化や長寿命化技術導入の効果を異質性パラメータの相対的変化によって評価するための方法論を構築する.
大阪大学大学院
工学研究科

地球総合工学専攻 准教授

■貝戸清之

審査の観点

審査委員会においては、以下の視点で審査いたしました。

 @応用研究課題:1)先見性、2)応用性・発展性、3)確実性
 A重点研究課題:1)社会ニーズ、2)実現可能性、3)波及効果

審査委員会

委員長 甲村 謙友 一般財団法人 国土技術研究センター 理事長
委 員 池淵 周一 京都大学 名誉教授
委 員 石田 東生 筑波大学 名誉教授
委 員 岡田 恒男 東京大学 名誉教授
委 員 進士 五十八 福井県立大学 学長
委 員 土岐 憲三 立命館大学 特別研究フェロー
委 員 森地 茂 政策研究大学院大学 客員教授
委 員 野田 徹 一般財団法人 国土技術研究センター 理事
委 員 川ア 茂信 一般財団法人 国土技術研究センター 理事