JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第3回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

省エネビル総合評価システム「エコナビTM」 (第3回国土技術開発賞 入賞)

ミッション地球環境への負荷の低減に寄与する
応募技術名称省エネビル総合評価システム「エコナビTM」
副題省エネ効果がすぐ見える。
応募者名(株)大林組
技術開発者(株)大林組 相賀(おうが)洋

技術の概要

1.技術開発の背景と目的

 建物のライフサイクル二酸化炭素総排出量分析によると、総排出量の約70%が運用時に排出されると推定され、この運用時における排出量を大幅に削減できる省エネルギー建築が地球温暖化防止に有効である。省エネビルを計画する場合、ひとつ手法のみでは大きな効果が望めず、いくつかの手法を組み合わせる必要がある。本技術は、環境保全性・経済性の観点から省エネビルを総合的に評価し、顧客にとって費用対効果の高い省エネ手法の組合せを迅速かつ容易に提案することを目的とする。

2.技術の内容

 建物情報・各種省エネ手法情報を与え、イニシアルコスト・エネルギーコスト(電気料金、ガス料金、水道料金)・ライフサイクルCO2(LCCO2)をシミュレーションにより求める(図1参照)。省エネ手法の組み換えを連鎖的に行いながら、費用対効果の高い順に逐次自動的に組み合わせて環境保全性・経済性の観点から最適な省エネ手法の組合せを迅速かつ容易に提案するコンピュータソフトである。熱経済性ベクトル図、環境経済性ベクトル図(図2,3参照)を作成することにより結果をビジュアルに表現して提案する。

3.技術の効果

 本技術の効果は、顧客の要求にあった実現性の高い最適な省エネルギー手法の組み合わせを短期間で容易に提案できることである。本技術の最大の特徴は省エネ手法自動組み換え評価技術である。これは従来にない独創的な技術で自動的に各種省エネルギー手法を何度も組み換えながら、費用対効果の高い順に逐次組み合わせて評価する技術である。費用対効果の費用としては初期費用、効果としてはエネルギーコストおよびライフサイクルCO2削減量が評価でき、ベクトル図によりビジュアルに表現される。与えられた初期費用に対し最も効果の高い組み合わせを提案できる。

4.技術の適用範囲等

  1. 【用   途】 事務所・店舗・ホテル・病院。これ以外の用途については、詳細データを与えることにより分析可能である。
  2. 【地   域】 全国10地点。これ以外の地域につては、気象データ、電気・ガス料金データを与えることにより分析可能である。
  3. 【省エネ手法】 建築、空調・換気、熱源、電気、給排水、衛生に関する約100種類の省エネルギー手法およびその組み合わせについて分析可能である。
  4. 【適 用 実 績】 キャノン本社棟新築工事 他約160件