JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第4回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

アクアプラ工法 (第4回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称アクアプラ工法
副題プラスチック製充填体アクアトラップ(またはアクアブリック)を用いた雨水貯留浸透工法
応募者名東急建設(株)
(株)明治ゴム化成 タキロン
(株) 三菱商事プラスチック(株)
技術開発者東急建設(株)       鈴木 一
(株)明治ゴム化成     井上 伊佐男
タキロン(株)       鶴本 健
三菱商事プラスチック(株) 松村 和久
共同開発者石川島建材工業(株)
(株)クボタ
パシフィックコンサルタンツ(株)

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 本技術開発の基礎的研究は昭和58年から行っており、調整池の地下化による土地の有効活用や、雨水の積極的な地下浸透による都市の水循環の再生などをターゲットにして、既存の採石貯留工法に代わる、軽量で空隙率の高いプラスチック製の充填体アクアトラップ(アクアブリック)の開発をおこなった。

2.技術の内容

 本工法は、掘削したのち貯留施設であれば遮水シート、浸透施設であれば透水シートで仕切った中に、アクアトラップを縦横にならべ、埋め戻すものである。アクアトラップは梁体(500×500×50mm)とそれを支える脚(φ60×240mm、5本〜13本)からなる「ユニット」(500×500×270mm)と、ユニット外周をぐるりと取り囲むように用いる「平板」(500×500×20mm)とユニットを水平方向に連結する「H駒」の3つの部材で構成されます。ユニットは16個で1m3であり、50cmを基本単位として、さまざまな形状や大きさに対応できる。

3.技術の効果

現場打ちコンクリート槽に比べ、本工法により施工期間が短縮されることによる現場管理費の低減効果が期待できる。また、プレキャストコンクリート製品に比べ、空隙率は高く、重機を用いない施工ができるため、コストは3割程度安価になる。浸透槽では、数ヶ所浸透枡を設置する場合に比べ大容量であり、維持管理性に優れる。

4.技術の適用範囲等

  • 埋設深度は4.7m(強化タイプの場合6.3m)
  • 土被は30cm以上で最大303N/m2(脚13本の時)
  • 地下水位が高い場所での貯留槽としての利用には土被厚により調整必要。
  • 耐震性能は、現場の状況にあわせて、定められた設計法により設計した場合のみ与えられる。

5.技術の適用実績

名古屋市流域対策施設整備事業久方中学校貯留施設築造工事(2001年7月〜8月) 他22件