JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第5回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

プラグマジック工法 (第5回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称プラグマジック工法
副題品質管理を高度化した管中混合固化処理工法
応募者名東亜建設工業(株)
技術開発者東亜建設工業(株) 太田正規
          沼尻義春
          坂本暁紀
          土山徹也
          坂野先司
信幸建設(株)   西川豊
          竹内基幸

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 近年、港湾施設・廃棄物処分場建設、航路維持浚渫等により軟弱な浚渫土が発生し、資源のリサイクルの観点から固化処理され、埋立地の地盤材料として再利用されるケースが増えてきている。

 在来の固化処理工法では、軟泥と固化材を混練りするための混練機が欠かせないので、プラント式での処理が多い。そのため、処理能力についても制限を受けることが多く、また、比較的高価なシステム構成となっている。そこで、大容量処理に対応できる、経済的な工法が求められていた。

 一方、当社では、従来よりプラグ流を利用した混気圧送方式による堆積軟泥の除去・搬送方式の開発を手がけてきており、この技術の延長上にある混練メカニズムを用いて開発を行うこととした。

2.技術の内容

 プラグマジック工法による改良浚渫土の埋立工事は、以下の手順により施工される。

  1. 浚渫土を積載した土運船から空気圧送船のバックホウにより揚土し、ホッパーに投入。
  2. 投入された浚渫土は所定の含水比となるよう加水調整後、圧縮空気により圧送されて、固化材を添加。
  3. 固化材が添加された浚渫土は圧送中に混練され、打設船によって所定の位置に打設。

 上記の施工をするに当たり、開発された浚渫土砂の固化処理・打設システムを以下に示す。図中に示す各段階での技術は以下の通りである。

3.技術の効果

  1. 特殊な機器を必要とせず、汎用機の組み合わせでシステムを構成できる
  2. 長距離圧送が可能(1000m3/hrクラスの空気圧送船を使用して、改良土を約1500m管路輸送できる)
  3. 原泥の性状の違いによる配合補正を速やかに行うことができる(固化材添加管理システム)
  4. 水中打設時に材料分離を防止できる打設方法である
  5. 在来工法よりコスト縮減が可能となる(大量急速施工を行うことにより、さらに単価を縮減可能)

4.技術の適用範囲等

  • 適用対象
    埋立、土圧低減、耐震補強(液状化対策)、埋め立てた浚渫土の吸い出し防止、表層改良(トラフィカビリティの確保)、水中埋戻し(海底構造物の防護)等。
  • 土質の適用範囲
    砂分の含有率が30%以下、含水比が90〜110%(液性限界の1.3〜1.5倍程度)の粘性土がもっとも適している(含水比200%以上の粘性土は対象外)。

5.技術の適用実績

中部国際空港 空港島造成工事(その1) 平成13年6月5日〜平成14年10月1日