受賞技術概要
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第5回国土技術開発賞
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- 第5回国土技術開発賞
優秀賞(国土交通大臣表彰)
FCF(Fast Failsafe Climbing Form)工法(第5回国土技術開発賞 優秀賞)
応募技術名称 | FCF(Fast Failsafe Climbing Form)工法 |
副題 | 水平昇降ロボットジャッキシステム |
応募者名 | (株)フジタ |
技術開発者 | (株)フジタ 紙屋東明 松尾宗義 池庄司和臣 澤口正彦 関原弦 畔上裕行 |
技術の概要
1.技術開発の背景及び契機
橋脚等の塔状構造物を施工する場合は、総足場工法が一般的であるが、以下の様な課題がある。
1.高所作業が多く、墜落災害などが起こると重大事故となりやすい。
2.クレーン作業が多く、組立・解体の作業効率が低下する。
3.工数の削減が難しい。
4.気候などの自然環境に影響されやすい。
このような背景の中で、安全性、施工性、工期短縮が可能で環境にも配慮した工法の開発に取り組んだ。
2.技術の内容
1.昇降ロボットジャッキシステム
昇降用の作業ステージ上に作業用の足場と大型型枠を搭載し、これら全体をコンピュータ制御可能な昇降ロボットジャッキシステムを用いて昇降する。
2.型枠と足場を作業ステージとして一体化し、クレーン作業と躯体施工に関わる作業工数を削減できたため、工期は約10〜15%短縮した。
3.中央制御システム
各昇降ロボットジャッキの作動情報とレベルセンサ計測値を判断し、各昇降ロボットジャッキの制御を行う。
図−1 昇降ロボットジャッキ概念図動作イメージ
- 図−2 FCF工法概念図
図−3 昇降ロボットジャッキ 仕様概要
図−4 システムフロー
3.技術の効果
- 安全性の向上
作業ステージ全体を地上で組立て、解体するため、安全性は飛躍的に向上し墜落災害ゼロを達成した。 - 工期短縮
型枠と足場を作業ステージとして一体化し、クレーン作業と躯体施工に関わる作業工数を削減できたため、工期は約10〜15%短縮した。 - 環境への配慮
作業ステージ全体をユニット化することで、作業エリア全体を防護することが可能となり、風、雨、気温などの自然環境に対して作業環境が向上した。全体を防護することにより、騒音、火気など自然環境への負荷を低減した。 - 生産性の向上
運転操作は、中央制御盤の起動スイッチを押すことにより全自動で行われる。
4.技術の適用範囲等
橋脚、煙突などの塔状構造物の施工
5.技術の適用実績
第二東名高速道路中一色川橋(下部工)工事、平成14年7月〜平成15年2月 他6件
図−5 施工実施例