ソフトウェア
地震時の堤防変形予測プログラム
プログラムの公開および利用にあたって
今般公表する【地震時の堤防変形予測プログラム】は,平成19年3月に国土交通省河川局治水課が策定した『河川構造物の耐震性能照査指針(案)・同解説(以下,「照査指針案」という)』「U.堤防編」において,“液状化に伴う堤防の変形を簡便かつ精度よく静的に算定する方法”として提示されている“液状化した土層をせん断抵抗を有しない粘性流体と仮定し,地盤の流体的な変形を算定する方法(流体力学に基づく永久変形解析法)”による計算プログラムです。
照査指針案において,もう1つの照査方法として提示されている“液状化の発生による土層の剛性低下を仮定するとともに,土構造物としての自重を作用させ,その変形を有限要素法により算定する方法(有限要素法を用いた自重変形解析法)”による計算プログラムが,2003年以降公表されているのに対して,流体力学に基づく永久変形解析法による計算プログラムは,これまで公表されているものが存在していませんでした。
そこで,国土技術研究センター(以下,「JICE」という)では,流体力学に基づく永久変形解析法による計算プログラムの整備を目的として,本解析法の発案者である東京大学 東畑郁生 教授のご協力の下に,学識経験者等による研究会を組織し,流体力学に基づく永久変形解析プログラムの公開に向けての環境整備を行ってきました。
公表する【地震時の堤防変形予測プログラム】については,東畑教授らによって開発された「液状化に伴う地盤の流動予測解析プログラム(SOLIFLUK(ゾリフルーク)※)」を基本モジュールとして,「液状化層が複数存在している場合」と「地中矢板壁が液状化層の途中までしか達していない場合」の2つの拡張プログラムを追加し,さらに計算操作のし易さを考慮してデータ入出力支援プログラムを追加したものです。
また,【地震時の堤防変形予測プログラム】の理解を増していただくために,『液状化地盤の流動予測法の基本的考え方と基礎式』及び『地震時の堤防変形予測プログラム操作マニュアル』から成る解説書が付随しています。
なお,【地震時の堤防変形予測プログラム】の使用許諾として,JICEが無償で提供する【地震時の堤防変形予測プログラム】をご利用になる場合は,『【地震時の堤防変形予測プログラム】使用許諾契約書』に示す各条を了承されたものとみなします。
また,【地震時の堤防変形予測プログラム】の一部もしくは全てを使用もしくは利用する場合には,適切に引用を明記してください。特に,報告書・論文・内部資料などには,必ず“財団法人 国土技術研究センター:地震時の堤防変形予測プログラム,2009.”を引用して,【地震時の堤防変形予測プログラム】を使った旨を明記してください。
プログラムの概要
<マニュアル等>
- 使用許諾契約書
- 液状化地盤の流動予測法の基本的考え方および基礎式(東京大学 東畑教授)
- 地震時の堤防変形予測プログラム操作マニュアル
プログラムの概要
平成21年12月 Version 1.00 公開