JICE 一般財団法人国土技術研究センター

JICEレポート

JICE REPORT 第40号

表紙

表紙は2020年の1年間における地殻の動きを表している。
 日本列島付近は、4つのプレートが接する複雑な地殻の上に存在している。
 各プレートの水平移動や伸縮によるエネルギーの蓄積と放出が度々大規模な地震等の災害を引き起こす要因となっている。
 国土地理院が日本全国に設置した約1300点の電子基準点(図1)は、衛星測位システム(GNSS)を利用した測量の基準点の他に、このような広域の地殻変動を監視するためにも用いられている。
 図2は東日本大震災を引き起こした平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を含む2011年3月の1か月間における電子基準点の動きを表している。牡鹿半島(宮城県石巻市)においては、東南東方向に約5.3mもの動きを見せたことが分かっており(※)、これは電子基準点の観測史上最大のものであった。
 東北地方太平洋沖地震前の地殻の動き(図3)と表紙の図を見比べると、この地震を契機に地殻の動きが活発かつ複雑になっていることが分かる。
 切迫する南海トラフ巨大地震や首都直下地震は我が国に国家的な危機をもたらすことが想定されている。
 このような危機への備えとして、国土交通行政においては行政・住民・企業の全ての主体が災害リスクに関する知識と心構えを共有し、様々な災害に備える「防災意識社会」へ転換に取り組んでいる。ハード対策のみならず、国民ひとりひとりの防災意識の向上を図るなど、社会全体で主体的に備えることが必要とされている。
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■右の表紙の画像をクリックすると表紙と裏表紙がPDFでご覧になれます。

もくじ

ページ番号 内容
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目次と特集について

001

年頭所感

令和4年の新年を迎えて

●一般財団法人国土技術研究センター 理事長 甲村 謙友

004

特集

インフラ分野のDX を支える社会基盤システムの変革

●東京大学大学院 工学系研究科 特任教授 小澤 一雅 氏

014

リアルタイム高潮・高波浸水予測情報提供による防災行動DX について

●河川政策グループ 副総括( 研究主幹) 岡安 徹也

●河川政策グループ 主席研究員 有村 盾一

020

道路基盤地図をはじめとした地図情報の道路管理への活用に関する研究〜 DX 時代を踏まえた効率的・効果的な道路管理業務の実現に向けて〜

●道路政策グループ 上席主任研究員 岸田 真

●道路政策グループ 主席研究員 日當 卓也

●道路政策グループ 副総括 ( 首席研究員 ) 乙守 和人

●道路政策グループ 首席研究員 谷口 宏

026

インフラ分野の DX 推進に向けて異業種企業の持つ技術シーズと現場ニーズをマッチングさせる上での課題と今後の方向性

●技術・調達政策グループ 首席研究員 佐々木 正

●技術・調達政策グループ 主席研究員 酒匂 智彦

030

国土政策研究所 講演会

Green × Digital カーボンニュートラルに向けた取り組み

●東京大学大学院 情報学環 教授 越塚 登 氏

046

調査・研究報告

東京 2020 大会でバリアフリーはどこまですすんだか?〜共生社会の構築に向けた政策レビューと残された課題〜

●都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 沼尻 恵子

●道路政策グループ 上席主任研究員 竹本 由美

●道路政策グループ、兼都市・住宅・地域政策グループ 総括( 研究主幹) 牧野 浩志

052

社会資本インターネット調査 2021〜国民から社会資本の保全・整備はどのように見えているか〜

●情報・企画部 研究員 石川 直樹

●情報・企画部 次長 沼尻 恵子

●河川政策グループ 副総括 宇根 寛

●河川政策グループ 研究員 邱 中睿

056

事業紹介・事業報告

第 35 回 技術研究発表会の報告

●情報・企画部 研究員 石川 直樹

058

国土技術開発賞

●情報・企画部 技術参事役 田邊 輝行

060

建設技術審査証明事業の動向と審査証明技術の紹介

●技術・調達政策グループ 上席主任研究員 高橋 千明

●技術・調達政策グループ 首席研究員 大場 敦

●技術・調達政策グループ 研究員 多田 ~

064

国際交流・海外調査報告

第31 回 日・韓建設技術セミナー開催報告

●情報・企画部 研究員 / 石川 直樹

●道路政策グループ 上席主任研究員 丸山 大輔

●技術・調達政策グループ 上席主任研究員 福田 健

●技術・調達政策グループ 主任研究員 鈴木 圭一

068

前号の紹介