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最新の助成研究

2021年度(第23回)研究開発助成の決定

「第23回(一財)国土技術研究センター研究開発助成制度」は、住宅・社会資本整備の課題に対して応募があった50件から、審査委員会での厳正な審査により、10件を採択することとなりました。

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記者発表資料(2022/01/26)

助成研究名・研究者氏名等

助成研究名 研究の概要 所属・氏名
@安全に安心して暮らせる国土の実現に寄与するもの
A人・もの・情報が効率的に通いあえる国土の実現に寄与するもの
B心豊かに暮らせる快適で美しい国土の実現に寄与するもの
実測データを考慮した山地と河川・沿岸域の広域土砂動態・地形変化モデルの構築に関する研究 地球温暖化の影響が示唆される近年の豪雨災害に対し,ダムの容量確保の為の「排砂」は重要な課題である.また,海岸侵食はかねてよりの重要な課題であり,その両者を解決する「総合土砂管理」は近年注目される取組みである.その計画立案には,中流域の河床上昇の予測や実際の海岸線回復予測の為の「排砂・汀線変化シミュレーション」が重要であるが,今日用いられる一般的なモデルは,その定量的精度が乏しい.本研究では,実測データを取り込むことで定量的精度を有した,山地と河川・沿岸域の広域土砂動態・地形変化モデルを構築し,その現地適用によって,より実効性のある「総合土砂管理計画」を立案することを目的としている. 群馬大学大学院
理工学府 准教授
■鵜崎賢一
気候変動への適応に向けた砂浜価値の定量化に関する研究 GISデータベースに登録された砂浜,干潟,ウミガメ,海岸植生,藻場等の環境情報を広く収集し,それぞれの要素の関連性(様式1Dの図2参照)について解析するとともに,日本の沿岸域の代表的な環境指標となりうるパラメータを探索する.国内外の文献調査により砂浜に関する環境価値の経済評価結果に関する情報を集約し,日本の沿岸域に適用可能な環境価値の評価手法を開発する.開発した手法を申請者らが構築した砂浜経済評価手法に導入することで,防災・環境・利用すべての価値を考慮した砂浜価値の評価手法を開発する.気候変動に伴う海面上昇に対する全国の砂浜消失の被害額を推計し,将来の砂浜消失への適応策の策定に資する知見を提示する.

東北大学
災害科学国際研究所 准教授

■有働恵子

C水災害リスクと防災・減災に関する研究
D河川堤防の信頼性評価に関する研究
越水した場合であっても「粘り強い河川堤防」の耐浸透性能に関する研究 令和元年台風第19号による多数の堤防決壊の発生を受け,越水した場合であっても「粘り強い堤防」の整備が全国で進んでいる.一方,「粘り強い河川堤防」であっても,従来の河川堤防に求められる耐浸透性能などは必要となるが,従来の土堤を基本とした堤防構造とは異なるため,その知見は十分蓄積されていない.
そこで,本研究は「粘り強い河川堤防」を対象に,模型実験及び現地観測により耐浸透性能を検討する.それらの結果をもとに,「粘り強い河川堤防」の耐浸透性能を評価し,設計の高度化に活用することを目的とする.

山口大学大学院

創生科学研究科

准教授

■森啓年

E社会潮流の変化に対応した道路ネットワークのあり方に関する研究
F人中心の道路空間再構築に関する研究
近未来交通システム導入時の道路空間再配分に関する数理モデル研究 本研究は,特に渋滞が深刻な都市部の道路ネットワークを対象とする.その際に,道路ネットワークを一つの交通システムと見立て,道路空間再配分(e.g. 自動運転車専用レーン導入や給電施設配置)によって交通システムを最適化する手法を構築する.まず,現況把握として,通勤時間帯における自動車交通のトリップ長と到着時刻の関係性を自動車プローブなどのビッグデータを用いて分析を行う.
次に,現況を踏まえた上で新たなモビリティが導入された場合の行動を整理し,最適な道路空間再配分方法を数理的に解析し,その特性を明らかにする.最後に実際のネットワークでのシミュレーションに基づいた最適化手法の提案を行う.

東京大学大学院

工学系研究科

社会基盤学専攻

教授

■福田大輔

生活道路の路面装飾に関する研究 住宅地内道路を、生活の場として利用できる場所を増やすことにより、日本人のQOLは改善する。滞留空間としての道環境を設けるボンエルフ制度導入を前提に、生活道路での路面装飾による設えの安全確認及び場づくりの検討を行う。
本研究では特に、警察署・公安委員会等が特に懸念する運転時の安全を確保するデザインを示すことを目標とする。設えによる車両速度抑制効果や、道路での滞留者の注意を、アイトラッカー等を用いて実証的に確かめる。
様々な住宅地の道路上で、路面装飾を行い、安全を確保するための視線の変化を確かめ、安全な路面装飾の在り方を検討することを最終目標とする。
1年目は、学内の敷地内道路を利用した実験を行う。安全性を確認した上で2年目に、社会実験を行うことができるよう準備する。
日本女子大学
家政学部住居学科 教授
■薬袋奈美子
G人口減少社会における持続可能な都市の構築に関する研究
都市経営の視点からみたコンパクトシティ政策による長期的便益の貨幣価値評価に関する研究 本研究では、長期間の実績データを用いて、コンパクトシティ政策に要した経費とそれによって得られた便益を貨幣価値で算出して比較する。まず、富山市のデータを用いて詳細な時系列分析を行い、次に、「政令指定都市ではない県庁所在都市(31都市)」を対象とした比較分析を行う。経費としては「都市軸となる公共交通の利便性向上のための経費」や「公共交通沿線への立地誘導費」、便益としては「地価水準と固定資産税・都市計画税」、「公共交通の利用者数と収支」、「人口密度と都市施設の管理費」を求め、一連の政策がどれだけ自治体の財政に寄与しているかを示す。また、その結果を踏まえて、今後のわが国の都市政策の推進に資する政策的な知見を示す。

富山大学

都市デザイン学部

都市・交通デザイン学科

教授

■中川大

賑わいが街を変える – AIシミュレーションによる都市動態100年予測 - に関する研究 本研究では、人口減少や高齢化、巨大都市圏への人口集中が進む中、市街地の衰退が著しい地方都市の代表的再活性化政策である、コンパクトシティへの転換に焦点を当てる。加えて,新型コロナ感染症や自然災害などの社会リスクに対応でき、自律的な住民の行動を、強制ではなく誘導することによりボトムアップ的に望ましい都市構造を実現する政策について、合成人口データに基づくAIシミュレーションモデルを用いて検証する。合成人口データは、世帯構成や就業状況などの統計情報を、AIによって個々の世帯を推定したものである。これにより、詳細な世帯情報に基づく都市動態モデルを構築し、ひと中心の賑わいを介した、持続的に発展可能な都市空間の自己組織的形成を促進する都市政策立案を目指す。
筑波大学
ビジネスサイエンス系 教授

■倉橋節也

H今後のあるべき建設生産システムに関する研究
I社会資本の戦略的な維持管理に関する研究
道路利用条件の変化や長寿命化技術の導入が舗装寿命に与える影響の定量的評価に関する研究 本研究では路面性状調査データを用いた統計的劣化予測により,現状のアスファルト舗装に対する寿命と劣化速度の推定を行い,このベンチマークケースとの相対比較を通して,道路利用条件の変化や長寿命化技術の導入が舗装寿命に及ぼす影響を定量的に評価可能な方法論を提案する.具体的には条件変化や長寿命化技術導入など,不可観測な要因を異質性パラメータとして表現可能な混合マルコフ劣化ハザードモデルを改良して,異質性パラメータが舗装の健全状態に応じて段階的に変化する劣化予測モデルおよび推定アルゴリズムの開発を行い,供用の途中段階で生じる道路利用条件の変化や長寿命化技術導入の効果を異質性パラメータの相対的変化によって評価するための方法論を構築する.
大阪大学大学院
工学研究科

地球総合工学専攻 准教授

■貝戸清之

骨材-セメントペースト間の界面破壊と圧電効果の相関に関する研究 モルタルやコンクリートを構成する骨材界面のマイクロクラックが材料破壊の起点となりうることから,ひび割れの発生やその進展を萌芽時点で検出することは構造安全性の確保に重要である。
モルタルやコンクリートといったセメント系材料は載荷に伴い電気信号を発するが,申請者らのこれまでの検討から,この電気信号は骨材界面やセメント硬化体に生じるひび割れの情報を反映していると推察される。
以上の経緯により,本申請研究では,モルタルやコンクリートの破壊現象に伴い発生する電気信号の形状とひび割れ状態との相関を明らかにすることで破壊を検出する技術を構築し,コンクリート自体を破壊検出のセンサとして利用することを目指す。

立命館大学

理工学部

建築都市デザイン学科

准教授

■福山智子

GNSS衛星測位システムに基づく長大橋の変位計測モニタリングとAIを活用した変形予測に関する研究 構造物の損傷同定に必要な変位監視を目的として,準天頂衛星測位システム対応のGNSS受信チップセットとRasberry Piによる小型GNSS受信装置の開発とこれによるモニタリングを行う.また,既知重量の車輌による載荷実験を繰り返し行い,異なる手法によるGNSS計測結果の比較を通じ,測定結果の精度や妥当性の検証を行う.
時系列データ分析に基づくAIにより,日中の温度変化や数ヶ月単位の気候変動の影響を受ける長大橋梁構造物の変形挙動の予測を行う.これにより,長大橋構造物の早期の異常検知を可能とし,モニタリングコストの制約により困難だったGNSSモニタリングを活用した長大橋梁構造物の戦略的維持管理システムの構築を目指す.

山口大学工学部

社会建設工学科 准教授

■渡邊学歩

審査の観点

審査委員会においては、以下の視点で審査いたしました。

 @応用研究課題:1)先見性、2)応用性・発展性、3)確実性
 A重点研究課題:1)社会ニーズ、2)実現可能性、3)波及効果

審査委員会

委員長 甲村 謙友 一般財団法人 国土技術研究センター 理事長
委 員 池淵 周一 京都大学 名誉教授
委 員 石田 東生 筑波大学 名誉教授
委 員 岡田 恒男 東京大学 名誉教授
委 員 進士 五十八 福井県立大学 学長
委 員 土岐 憲三 立命館大学 特別研究フェロー
委 員 森地 茂 政策研究大学院大学 客員教授
委 員 野田 徹 一般財団法人 国土技術研究センター 理事
委 員 川ア 茂信 一般財団法人 国土技術研究センター 理事