JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第16回国土技術開発賞

優秀賞 アクティブ・ノイズ・コントロールを用いた建設機械騒音の低減技術 技術開発者 松岡明彦 受賞コメント

第16回国土技術開発賞 優秀賞 アクティブ・ノイズ・コントロールを用いた建設機械騒音の低減技術
技術開発者 戸田建設(株) 松岡 明彦

受賞にあたって

この度は栄誉ある「国土技術開発賞・優秀賞」を賜りまして、誠に光栄に存じます。

本技術は、音で音を打ち消すという、原理的には古くから知られているアクティブノイズコントロール(ANC)の技術を建設工事現場の騒音低減に応用したものです。これまでも多くのANCを応用した技術が提案されてきましたが、効果範囲が限定されたり、システムが複雑になるなどの課題がありました。

建設機械のエンジンマフラーから発生する騒音は低周波数帯域に鋭いピークがあり、耳障りなものになっています。低い周波数は防音壁や窓ガラスでは十分に遮音できないため、建設機械騒音の苦情の原因のひとつにもなっていました。そこで、建設機械に本技術を搭載してしまい、発生騒音そのものを低減しようと考えました。

開発には多くの方々のご指導とご協力を頂きながら試行錯誤を繰り返し、建設工事現場という音響機器には厳しいと言わざるを得ない環境においても、安定した騒音低減効果を発揮するシステムを完成させることができました。この場をお借りして関係各位に心から御礼申し上げます。

これからも本技術が多くの建設現場で活躍することを期待します。

受賞後の動き

アクティブノイズコントロールの技術は、適用する対象や制御方法の検討により、活用範囲を広げることができると考えます。これからも多くの建設工事現場で本技術を活用するだけでなく、新たな適用対象の開拓にも努力して参ります。