JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第14回国土技術開発賞

最優秀賞 テコレップシステム 技術開発者 市原英樹 受賞コメント

第14回国土技術開発賞 最優秀賞 テコレップシステム
技術開発者 大成建設(株) 市原英樹

(左が市原英樹次長、右は萱嶋誠課長)

受賞にあたって

この度は、「国土技術開発賞最優秀賞」を賜り、開発技術者一同身にあまる光栄を感じております。本技術の開発と実施適用に際して、ひとかたならぬご指導、ご支援をいただきました多くの皆様に心より御礼申し上げます。

開発の始まりは、超高層ビルを解体するときに「何か画期的な方法はないのか?」という上司の些細もない一言からでした。まず考えたのが、解体に求められるものは何だろうか?どのようにして解体することを望まれているのだろうか?でした。そして私たちは「周辺の方々に安全・安心」、「地球環境への配慮」、「工事の効率化」というコンセプトにたどり着き、これらを同時に達成する方法として、閉鎖型解体工法を導き出しました。全ての工事を閉鎖された空間で解体工事を進める「解体工場」のようなものをイメージし、あらゆるアイディアを提案しました。このころから、このプロジェクトに仲間が増え、創造性豊かな技術が次々と生まれ、最初は従来方法の発展型程度であったものが、飛躍的に進化し、今までに見たこともない独創的な工法に変貌しました。

一つの技術をゼロから生み出すことは、簡単なことではありません。しかし、同じ志の仲間がいれば必ず達成できることを今回のプロジェクトで証明することができました。そう言った仲間が大成建設には数多くいます。テコレップ開発者の面々は、これからもこのようなこだわりを持った技術者として新たな技術を開発する所存です。

受賞後の動き

テコレップシステムの開発は,第1号物件の実施適用を完了したことで,一つの節目を迎えています。しかし,私たちはすでに第2物件目の適用に着手しており,更に進化したテコレップシステムを考えております。今後は,このテコレップシステムの良さを十分に理解して頂くための普及活動を行いながら,あらゆる建物に対応できるように,新しい技術を盛り込むことを考えております。