JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第9回国土技術開発賞

最優秀賞 石垣修復支援システム 技術開発者 渡辺 昌照 受賞コメント

第9回国土技術開発賞 最優秀賞石垣修復支援システム  (3Dモデル配置システム)
技術開発者 渡辺 昌照

受賞にあたって

石材の仕事に携わり35年、2000箇所以上の石積工事を経験し、熊本城、高遠城等の城跡石垣工事に携わりました。城跡石垣の修復の場合、既存石材を再利用することが前提となります。従って、石を痛めず、壊さず、高い精度で仕上げる石工の技術が必要となる難しい仕事です。中之門石垣修復工事が無事完了したのも、工事に携わった各社の一体となった取り組み、宮内庁担当者様各位の適切なる指導の賜物であると思います。

日本の石文化は、丁場からの石の切り出し、加工、現場での据付という一連の流れで構成されています。私どもは、このうち主に現場での据付を行っていますが、外国産石材の進出、自然石積み工事の減少等、石業界にとっては厳しい環境となり、伝統的技術そして石文化の伝承・継続も危ぶまれています。そのような環境の下、このような名誉ある賞を頂き感激しています。今回の受賞を機会に石業界の活性化に結びつけば良いと思います。

受賞後の動き

現在石業界は、厳しい状況でありますが、機会があれば、今後も若手石工を石垣修復工事に参加させ、日本の歴史である石積みの技術、とりわけ空積みの技術を絶やさず継承させたいと思います。一方、新しい試みについても積極的に協力、参加し、新技術の導入、技術力の向上についても取り組みたいと思います。