JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第10回国土技術開発賞

最優秀賞 太径曲線パイプルーフ工法 技術開発者 吉川 正 受賞コメント

第10回国土技術開発賞 最優秀賞 太径曲線パイプルーフ工法
技術開発者 吉川 正

受賞にあたって

この度は、最優秀賞を頂きまして誠にありがとうございます。

関係者の総力によって、技術開発を進めることができ、かつ難工事へ適用できたと皆様に感謝しております。

大都市の道路下に、一般の人には知られずに、すなわち非開削で大空間を構築する工法を具現化すべく、2001年秋に構想作りから始めました。具体的には、地下道路の分岐合流部を、2本のシールドトンネルも合せた大きな空間として構築できる、大きな土圧・水圧に、半円形の鋼管を並列状に並べたシンプルかつ力学的に有利な形状で、力強くしっかりと抵抗できる構造を目指しました。名称も「太径曲線パイプルーフ工法」としました。

そして、本技術は、資機材の製造、施工から完成まで網羅すべく、材料、掘削機、計測器、設計法など、種々の新旧技術を組合せることで確立できました。

抽象的ですが、ひたすらに思い悩む、兎に角やる、妥協しない。構想から、具体化へ、そして実験での失敗。皆で解決策を絞り出し、しつこく目標目指して這い上がる。この技術を作らなければ、道路は繋がらないと。。。

最優秀賞は身に余る光栄ですが、関係者の英知と思いと幸運、やっぱり最後は皆の総意と力の結集。どうもありがとうございました。

今回の受賞を励みにし、より気を引き締め、土木技術者として精進して参る所存です。

受賞後の動き

本技術は、今回、首都高速新宿線の富ヶ谷トンネルに適用され、多くの知見が得られました。一方、課題も見つかりました。今後は、それら知見の展開、課題の改善に努力していきたいと考えます。しかし、その為には、工事への適用を図ることが不可欠です。

一方、2005年1月、本工法に関するNEW TULIP工法研究会を立上げ、技術資料、広報資料などを整備し、施工技術総合研究所の関係者の皆様にもご指導頂きながら本工法の普及に努めております。

今後とも関係各署の方々にご支援、ご協力を賜りたいと存じます。