JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第16回国土技術開発賞

入賞 ADCPを用いた河川の流量・土砂同時観測手法技術開発者 本永良樹 受賞コメント

第16回国土技術開発賞 入賞 ADCPを用いた河川の流量・土砂同時観測手法
技術開発者 (独法)土木研究所 本永 良樹

受賞にあたって

このたびは国土技術開発賞の入賞を受賞という大変な栄誉をいただき、身に余る光栄を感じております。本技術の開発を通じてお世話になった関係者各位に心より御礼申し上げます。

我が国における河川流量観測は元々可搬式流速計や浮子を用いて何十年にもわたりデータの蓄積がなされてきましたが、今回入賞の栄誉に与りました技術は、これまでは考慮できなかった出水中の河川水面下の流れの構造や河床変動も把握した上で、より高精度の流量観測を実施することができます。また固定設置型非接触型流速計と併せることで流量観測の連続化・無人化も可能となりました。さらにはこれまでは観測の対象となっていなかった土砂輸送についても流量と同時に計測できるようになりました。今後地球温暖化の影響により水文観測データの重要性はさらに高まることが予想されます。一方で少子高齢化の進展により、流量観測の担い手が不足することが想定されます。このような状況下において、本技術が日本の河川行政を支える一助となれば幸いです。

受賞後の動き

現在は実際の河川において本技術を提供し、技術の更なる向上を検討する段階に入っています。国土交通省管轄の河川/観測所を対象として、各河川事務所の皆様との協議を続けながら、どのような状況下においても確実に、かつ高精度で流量を測定する技術の向上・開発に日々取り組んでおります。