JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第16回国土技術開発賞

地域貢献技術賞 アルミ合金を活用したシステム型枠工法 技術開発者 飯田尚樹 受賞コメント

第16回国土技術開発賞 地域貢献技術賞 アルミ合金を活用したシステム型枠工法
技術開発者 森田建設(株) 飯田 尚樹

受賞にあたって

この度は、「第16回国土技術開発賞・地域貢献技術賞」という大変名誉ある賞をいただき、身に余る光栄を感じております。本技術の開発と適用に際して、これまでに暖かいご支援ご指導いただきました関係者の皆様にこの場を借りまして心よりお礼を申し上げますとともに、今後のご協力もよろしくお願い致します。

本技術につきましては、所期の目標を「きつい・汚い・危険」の型枠在来工法から脱却した新施工法を開発し、次世代への魅力ある職場の提供と人材育成を狙った課題として取り組んできました。

近年の建設投資の増大に伴い、技能労働者等建設人材不足や高齢化対策、及び地球環境問題対策等建設業にとって大きな問題が発生している現在、この機会をチャンスと捉え、私達が十数年掛けて開発研究を行い「アルミ合金を活用したALSP2(アルサップ)システム型枠」を確立することが出来ました。

この技術の特徴は、労働者不足に対応したシステム型枠材料+工法であり、軽量化・耐久性・転用効率に優れピン連結により簡単に組合せができる熟練工の省人化が図れ、作業効率が向上できる技術です。従来の技術と違い、下階から上部型枠が構築できる為、高所作業が低減できるとともにシステム化した構成部材の為、仮設資材の低減も大幅にできます。ピンを外すことにより各部品毎に解体でき、解体時の作業騒音の低減が図れます、又、アルミとコンクリートの剥離に対しては特殊コーティング処理により良質な仕上げ面を提供できます。波及効果としてベニア等南洋材の使用料を削減できるので、地球環境問題にも大きく貢献できます。この技術開発を通して、所期の目標を達成できることを大いに期待しています。

今回の受賞は、様々な方の多大なるご協力をいただいたことで受賞できたものと思いますとともに深く感謝の意を込めて、御礼申し上げます。

受賞後の動き

今後は、実験(モックUP)・施工実績を積み重ね、更なる汎用性の開発に取り組みたいと考えております。そして本技術が、全国の型枠大工さんに有効活用されることを、開発者のひとりとして普及活動を図り、型枠工事の向上に少しでも貢献できればと思っています。