JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第16回国土技術開発賞

入賞 ADCPを用いた河川の流量・土砂同時観測手法技術開発者 萬矢敦啓 受賞コメント

第16回国土技術開発賞 入賞 ADCPを用いた河川の流量・土砂同時観測手法
技術開発者 (独法)土木研究所 萬矢 敦啓

受賞にあたって

このたび私どもが開発してきた技術;ADCPを用いた河川の流量・土砂同時観測手法が、栄誉ある国土技術開発賞(入賞)に選ばれました。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

日本の河川の多くは急流河川であり、洪水時の流速は早く、水面が大きく振動することもあり、水面下で起きている現象を理解することが困難でした。同技術はこのような河川における流量値の把握、川底の変化、土砂移動の様子を把握することを目指したもので、これらは河川管理のみならず河川工学者にとっても役立つ情報となります。

同技術の開発に際しては、職場の上司・同僚、国土技術政策総合研究所河川研究部より貴重なアドバイスを頂きました。また国土交通省水管理・国土保全局河川計画課河川情報企画室、北陸地方整備局、同整備局管内高田河川事務所、信濃川下流河川事務所、関東地方整備局、同整備局管内下館河川事務所の皆様には同技術を積極的に採用して頂きまして、貴重なデータを取得することができました。これらの業務を受注して頂いたコンサルタント会社の皆様のたゆまぬ努力とフィードバックのおかげで技術が大きく進歩しました。特に株式会社水文環境の井上氏、小野氏は急流河川である姫川の観測において尽力を尽くして頂きました。さらに土木学会水工学委員会流量観測技術高度化小委員会及び水文・水資源学会研究グループ「河川流量観測高精度化研究会」の諸先生方から貴重なご意見を頂きました。最後に、私のかつての同僚である 高知工業高等専門学校の岡田将治准教授は開発初期の段階から議論に加わって頂きました。ここに記して御礼申し上げます。

受賞後の動き

開発した技術は国土交通省において、徐々に計測実績が増えてきました。このような技術により取得された計測結果を用いることで、より精度の高い、かつきめ細かい河川管理に貢献できるよう、技術の普及に努めたいと思います。