JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第12回国土技術開発賞

優秀賞 非接触肉厚測定装置 技術開発者 白井一洋 受賞コメント

第12回国土技術開発賞 優秀賞 非接触肉厚測定装置
技術開発者 国土交通省 関東地方整備局 白井一洋

受賞にあたって

 このたびは国土技術開発賞の優秀賞にご選考いただき誠にありがとうございます。

 本技術は港湾施設の維持管理のために実施している鋼管杭や鋼矢板の板厚測定を付着生物の除去なしに行うことが出来る装置です。

 本技術開発は、私が港湾空港技術研究所に在職中に着手したものです。平成14年に施工制御技術部長の「鋼管杭の板厚測定が非常に労力が掛かるので、簡単に測定できないか」という提言からスタートしました。現状の測定方法と付着生物の状況を詳細に調査することからはじめ、平成16年度の予備実験を経て、平成17年度より本格的な技術開発を実施することが出来ました。この間に川崎市港湾局、関東地方整備局、造船所等の多くの方々に付着生物や測定方法に関する調査や資料の提供等にご協力いただき、技術開発の足がかりを築くことが出来ました事を深く感謝いたしております。おかげで、平成17〜18年の2年間で基本技術を確立することが出来ました。

 私は平成19年度より関東地方整備局で行政職として勤務しています。その後、この研究を引き継いで下さった吉住特別研究官及び港湾空港技術研究所の方々の多大な努力により、実用化に至っています。

 本技術開発にご協力頂いた多くの方々のおかげで、私の港湾空港技術研究所での延べ20年間におよぶ水中音響技術の研究に対して、最後にすばらしい評価を頂きました。ありがとうございます。

受賞後の動き

 現在、私は、関東地方整備局で技官として勤務しています。この技術が広く使われ、高精度化、小型化等により、さらに使いやすいものになるよう、利用する立場で支援していきたいと思っています。