JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第9回国土技術開発賞

入賞(国土交通大臣表彰)

UCIS(ユー シー アイ エス)(ケーソン無人化据付システム) (第9回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称UCIS(ユー シー アイ エス)(ケーソン無人化据付システム)
副題海上工事における無人化施工技術
応募者名五洋建設(株)(※)
技術開発者〔五洋建設(株)〕眞鍋 匠

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 建設業においては熟練技術者の減少や作業員の高齢化が加速され、施工における作業効率を高め、施工品質を確保した上での省力化技術が強く求められている。また、建設工事に内在する危険有害要因を事前に除去・低減する取組みが推進されている。陸上工事においては、これらの課題を解決するため無人化施工が実用化されすでに工事に適用されている。しかしながら、防波堤築造などの外洋における海上工事では、波浪が作業に関わってくるという特徴を持っており、無人化施工の開発はこれまで行われてこなかった。安全対策面や今後の熟練者の減少に備えて、海上工事における無人化施工技術を開発する必要があった。

2.技術の内容

 UCISは、ウィンチ方式のケーソン据付時に、従来ケーソン上で人手により行われていたケーソン隔室内への注排水操作、水位監視、引寄せウィンチの操作、およびケーソンの動態監視などの据付作業をシステム化し集中管理することで、遠隔からワンマンオペレーションでケーソンを据付けるシステムである。カメラ映像以外に遠隔監視項目を拡張し、かつ予め設定した目標やルールに沿った誘導情報を適時、モデル化し表示することで、オペレータが状況を直感的に把握できるものとしている。また、危険予測・回避技術と多重安全回路技術を導入し、システム作動の安全性向上、および信頼性向上を図っている。

 

3.技術の効果

(直接的効果)

従来工法と比較し、機材および作業員数が概ね50%程度減少する。
ケーソン上に搭乗する作業員が、従来は12名必要であったのに対し、0名となる。
(間接的効果)

UCISを用いたケーソン据付には起重機船を使用しないため、据付期間中に港湾の航路占有がない。

4.技術の適用範囲等

自然条件は、通常のケーソン据付と同様で、有義波高1m、平均風速15m/sec以下。
据付ケーソンの遠隔監視操作可能距離は最大500m。
技術提供は全国地域で可能。
ケーソン据付方式はウィンチ方式で、一連据付方式と進水据付方式のいずれにも適用可。

5.技術の適用実績

  細島港(外港地区)南沖防波堤築造工事、平成17年6月〜平成18年3月、他2件