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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第14回国土技術開発賞

最優秀賞(国土交通大臣表彰)

テコレップシステム (第14回国土技術開発賞 最優秀賞)

応募技術名称テコレップシステム
副題超高層建物における閉鎖型解体工法
応募者名大成建設(株)
技術開発者〔大成建設(株)〕市原英樹・萱嶋誠

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

高さ100mを超える超高層建物も老朽化や収益性の低下を理由に解体される時代となり、都心部では大規模再開発に伴う超高層ビルの建て替えも実施されており、今後この傾向は加速するものと思われる。しかし、超高層建物を解体する場合、騒音・粉塵の飛散、万が一の小片落下事故等の影響範囲がより広範囲となるため、近隣に対する安全・安心確保の観点からも課題が非常に多い。また、大量の廃棄物が発生し、工事に伴うエネルギー消費も増加するため、環境への負荷も大きくなる。そこで、こうした超高層建物特有の問題を解決し、安全・安心で地域環境、地球環境に配慮した新工法を開発した。

2.技術の内容

開発した新工法は世界初の超高層建物閉鎖型解体工法であり、自動化施工、機械化施工、回生ブレーキを利用した発電機能など、革新的な技術を導入した次世代の標準的工法となり得る画期的な新技術である。

新工法は、建物上部の側面と上方を仮設の「キャップ」で覆い、閉鎖空間の中で上階から解体を進めていくことを特徴としている。このキャップは、1フロアを解体する毎に一体で自動降下する機能を持つため、仮設材の盛り替え等の高所危険作業が不要で、安全に解体作業を進行出来、外部への騒音伝搬や粉塵飛散も大幅に低減出来る。屋根面には、水平搬送を行う天井走行クレーンと揚重作業を行う垂直搬送機械を設け、すべての資材移動を内部で完結させたため、外部への落下のリスクは皆無となった。

3.技術の効果

新工法は解体工事の概念を「壊す」から「分解する」へ替える技術であり、工場での作業のように反復作業が可能かつ自動降下機能による高い安全性を併せ持つ工法である。閉鎖空間の構築に既存部分を有効活用することで、仮設材を大幅に低減し、転用することでコストダウンが可能である。荒天、上空での風、苦情による作業中断が無いため、建物高さが高く従来の工期が長いほど、工期短縮の効果が期待できる。

荷下ろし用の垂直搬送機械には「荷下ろし発電」機能を世界で初めて採用し、カッター工法を併用することにより、施工時のCO2排出量を従来工法より最大約85%削減可能である。また余剰分の回生電力は転用可能なシステムを構築している。閉鎖型解体により、敷地外の工事騒音レベルを暗騒音レベルとし、粉塵飛散量を約9割カットする。

4.技術の適用範囲

高層ビル、超高層ビルの地上部分解体で、高さ・平面形状・構造種別を問わずに適用可能であり、人口密集地域、狭い敷地、高層建物が隣接している等の適用条件でも安心して実施可能である。

5.技術の適用実績

大手町フィナンシャルセンタービル地上躯体解体工事(平成23年2月〜平成23年12月)、 グランドプリンスホテル赤坂新館における地上躯体解体工事に適用決定(2012年6月開始予定)、 その他2013年以降解体予定の計画中案件3件。

写真・図・表

図−1 テコレップシステム概要図

図−2 実施適用時における工事進捗の様子

図−3 ジャッキダウン前後の解体階内観