• JICEについて
  • 調査報告・研究成果
  • 助成・表彰・審査制度
  • 技術資料・ソフトウェア
  • 国土を知る

助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第8回国土技術開発賞

最優秀賞(国土交通大臣表彰)

「インバイロワン工法」鋼製橋梁等鋼構造物、環境対応型現場塗膜除去技術 (第8回国土技術開発賞 最優秀賞)

応募技術名称「インバイロワン工法」鋼製橋梁等鋼構造物、環境対応型現場塗膜除去技術
副題鋼製橋梁長寿命化のための、はく離剤による塗膜除去工法
応募者名(独)土木研究所
山一化学工業(株)
技術開発者(独)土木研究所  守屋 進
山一化学工業(株) 臼井 明
          荒川伸彦

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

鉛・クロム等は有効な防食材料であったため、従来から一般塗装系塗料として、鋼製橋梁等の鋼構造物の塗膜に多く使用されてきた。しかし毒性が認識された現在、環境保全及び生活安全性の確保のためにも一般塗装系塗膜の安全な除去・回収が急務である。また、防食ライフサイクルコスト縮減の観点からは、塗膜を一般塗装系から重防食塗装系に替える必要があり、現場での、既存一般塗装系塗膜の安全な除去・回収技術が必要である。

2.技術の内容

本技術は、一般塗装系塗膜を重防食塗装系に塗り替える際の、一般塗装系塗膜を除去・回収する技術である。具体には、新規開発の塗膜はく離剤“インバイロワン”を一般塗装系塗膜に塗布後、一昼夜放置し、旧塗膜を軟化させ、ヘラで旧塗膜を除去・回収する。従来の機械式除去に比べ、作業効率、環境安全性、塗膜回収率が高い。

3.技術の効果

  1. 1回のはく離剤塗布で多重塗膜の除去・回収が可能であるため作業性が向上。(写真−1)
  2. 100m2規模での試算の結果、従来型はく離剤工法に比べて約1/2程度のコスト縮減が、サンドブラストに比べて約1/5にコスト縮減が可能と推定。(ここで、ディスクサンダー工法は最も安価であるが、同工法は主に、防錆機能の維持や美観回復などの部分的な修復(3種ケレン)や、小規模面積の塗膜はく離を対象とするものであり、本技術が対象とする桁全体の2種ケレン以上の塗膜はく離には、事実上適用不可)(図−1)
  3. 開発した塗膜はく離剤は、高級アルコールが主成分であるため人体の安全性を確保。
  4. 本技術は、旧塗膜を湿潤シート状に軟化させ除去・回収するため、旧塗膜をほぼ100%除去・回収でき、機械的塗膜はく離にあるような塗膜ダストの飛散はなく、作業安全性も確保。(写真−2)

インバイロワン工法の作業手順と旧塗膜の除去・回収事例
写真−1 インバイロワン工法の作業手順と旧塗膜の除去・回収事例 インバイロワン工法と従来技術のコスト比較
図−1 インバイロワン工法と従来技術のコスト比較

  • ディスクサンダー工法、サンドブラスト工法では、対象既存膜厚は工賃には直接関係ないとしました。
  • ディスクサンダー工法、サンドブラスト工法のコストは、国土交通省機械設備工事積算基準、珪砂使用量を参考に算出しました。
  • ウォータージェット工法の工賃と機械損料は、日本ウォータージェット施工協会積算資料(1996、目荒し編)から引用しました。
    水使用量:3,000リットル(回収率50%で1,500リットルを発生する産廃物としました。)
  • 従来型はく離剤工法およびインバイロワン工法については、対象既存塗膜厚を200μmとしました。
  • 実証試験から従来のはく離剤工法は、新設で200μmの既存塗膜に対して一回に1kg/m2を塗布し、塗膜が4層あるので4回塗布と除去作業をすることとしました。
  • 実証試験からインバイロワン工法は、200μm〜500μmの塗替え履歴2回までに対して1回に1kg/m2を塗布し、1度にはく離することとしました。
  • はく離対象の塗装系は鉛・クロム等の有害重金属を含有しているため、特定管理産業廃棄物に分類されるとしました。

写真−2 はく離剤塗布後24時間経過した状態

  • 関西空港
    関西空港(大阪府内)
    塗布面積:160m2
    既存塗膜:B系塗装
  • 新大浜橋
    新大浜橋(熊本県)
    塗布面積:600m2
    既存塗膜:B系塗装
    (塩化ゴム系、塗替え2回)

4.技術の適用範囲等

鋼構造物の塗膜。特に、一般塗装系塗膜を有する国内約50,000箇所の鋼製道路橋に適用可能。

5.技術の適用実績

国道501号新大浜橋工事、平成16年12月〜平成16年12月   他5件