JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第13回国土技術開発賞

優秀賞(国土交通大臣表彰)

バケットクラッシャー(FU-70) (第13回国土技術開発賞 優秀賞)

応募技術名称バケットクラッシャー(FU-70)
副題再生クラッシャーラン製造工(脱着式)
応募者名(株)古垣建設/ウエダ産業(株)
技術開発者〔(株)大林組〕 三木 慶造・井澤 昌佳
共同開発者〔(株)古垣建設〕櫻庭健/〔ウエダ産業(株)〕吉川忠男

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

近年、建設産業が果たす責務として循環型社会の形成への貢献に加えて環境負荷の低減や建設費低減を強く求められており、その中で高度経済成長期に建造されたコンクリート構造物の更新期を迎え廃棄されるコンクリート殻の数量も年々増大する傾向にあった。廃棄されるコンクリート殻を原材料とし、発生した現場内で誰もが現場で利用する資材として再生することができるなら低コストで且つ、環境保全に寄与することができるとの思いで2006 年より本格的に全機種対応バックホウ脱着式再生骨材製造機の研究開発に着手した。

2.技術の内容

利便性、操作性を重視するため動力源をバックホウとした脱着式再生骨材製造機を開発するに際し、限られた出力で安定した機械能力を保ち、製造する骨材の品質を保持するために従来のV ベルト駆動方式を用いず、油圧モーターに駆動軸を直結し動力を伝達する構造とした。

従来現場で取壊したコンクリート殻はダンプトラックで中間処理施設等へ搬出し、現場で使用する骨材を購入し施工していたが、本技術は開発した機械を利用し様々な工事現場内で誰もが簡易に再生骨材を製造し、利用することを可能としている。

3.技術の効果

 本技術により、発生するコンクリート廃棄物の現場外への運搬搬出と、利用する骨材(砕石)の購入・搬入が減少することによる工事コストの削減、輸送車両が引き起こす交通渋滞や交通事故の減少、振動・騒音による地域住民環境の改善、道路メンテナンス費の削減、排気ガス(CO2 等)の低減等の改善が図られ、廃棄物の現場内利用を促進できる。

4.技術の適用範囲

  • バックホウ(山積0.8m3)を使用できる現場
  • 特定建設作業を禁止されていない区域
  • 破砕物強度40N/mm2 以下のもの

5.技術の適用実績

美国漁港北護岸改良その他工事、平成22 年12 月〜平成23 年3 月 他81 件

写真・図・表

  • バケットクラッシャー(FU-70) 
  • 再生骨材製造状況

施工フロー、施工手順