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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第6回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

F.T.Pile(Flex Top Pile)構法 (第6回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称F.T.Pile(Flex Top Pile)構法
副題健全かつ安全な杭・基礎構造を、コスト低減を伴って実現する杭頭半剛接合構法
応募者名大成建設(株)
技術開発者大成建設(株) 川端一三
        島田博志
        青島一樹
        征矢克彦
        安田聡

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 1995年の兵庫県南部地震において杭頭の被害が多数報告され、この結果はこれまでの杭と基礎の接合法の問題点を示唆するものであった。従来、杭と基礎の接合部は、杭主筋を基礎に定着するなど剛接合を目指したものが主流であり、耐震設計においても杭頭を完全固定とするのが一般的であった。しかし、杭頭を剛接合した場合、地震時には杭頭に大きな曲げモーメントが発生し、杭は損傷を受けやすくなる(図−1)。このような杭頭を剛接合する概念を見直し、杭頭の回転を許した方が、地震時の杭頭モーメントは低減でき、基礎構造全体の耐震性の向上が図れるものと考えた。

2.技術の内容

 F.T.Pile構法は、杭頭と基礎の接合部に特別な装置などを必要としない、基礎を杭頭部に載置しただけのシンプルな構造である。場所打ちコンクリート杭・鋼管杭については、杭主筋を基礎に定着せず、杭頭接合部を錐台形状として接合面を縮小させることにより、杭頭の回転剛性と曲げモーメントを制御可能にしている(図−3)。あわせて、杭の横補強筋を高強度のスパイラル鉄筋とすることで杭の変形能力を高めている。既製コンクリート杭については、杭頭を基礎に50〜100mm根入れし、根入れ部分の杭外周部と基礎の界面にテーパー状のスリットを設けた構造としている(図−4)。杭に引き抜き力が作用する場合、場所打ちコンクリート杭は杭頭断面中央部に芯鉄筋を配することで、既製コンクリート杭は鋼棒を杭頭端版に機械的に設置することで適用可能である。

3.技術の効果

 杭頭部の回転性能を高めることによって、従来の構法に比較して、地震時に生じる杭および基礎梁の曲げモーメントを有効に低減し損傷を極めて小さくできること、極大地震を受けた場合でも継続使用が可能であることを構造実験により確認した(図−5、写真−1)。また、杭頭モーメントの低減により、杭および基礎断面の縮小およびそれに伴う掘削土量の削減などコスト低減、工期短縮を得ることができる(図−2)。施工に関しては、杭主筋が基礎に定着していないために、杭頭余盛コンクリートのはつり作業や基礎梁の配筋作業が従来よりも容易である。本構法の採用により、地盤状況・建物規模にもよるが、基礎工事費を2〜3割削減できる。 

4.技術の適用範囲等

場所打ちコンクリート杭、鋼管杭(鋼管コンクリート杭)、既製コンクリート杭(PHC杭、SC杭、PRC杭、RC杭)など、全ての杭種に適用可能。

5.技術の適用実績

(仮称)太平四丁目錦糸町開発計画新築工事、平成15年3月〜平成16年4月 他28件