JICEレポート
JICE REPORT 第45号
表紙
▼ネイチャーポジティブに貢献するインフラ整備
表紙の写真は、生態系に配慮して高架タイプにしたエコロードの原点である日光宇都宮道路(左上)や動物の生息域分断対策である茂原第一トンネル(右上)、生息域保全対策である大橋ジャンクション(下)などの取り組みです。これらの取り組みは、ネイチャーポジティブの観点から注目されています。
▼ネイチャーポジティブとは
ネイチャーポジティブとは、「自然再興」の意味で、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指しています。 2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)などでネイチャーポジティブの方向性が新たな国際目標として示され、日本では、「生物多様性国家戦略2023-2030」において、2030年までにネイチャーポジティブを達成するという目標の下、健全な生態系の確保などによる自然の恵みの維持回復などを目指しています。
▼道路分野におけるネイチャーポジティブの取り組み
1992年の地球サミットを契機として、道路分野では、良好な環境を創造する道路環境施策を体系的に推進することが始められ、エコロードなどの野生動物が自動車に轢かれる死亡事故(ロードキル)対策などが取り組まれました。
しかし、国土交通省によると、道路上で発生したロードキルは、令和4年度に直轄国道で約7万件、高速道路で約5.1万件発生しており、未だに健全な生態系を確保する上での課題となっています。
ネイチャーポジティブの観点を踏まえ、ロードキルなどの個別課題の対策は、道路空間と周辺の生態系全体を俯瞰した施策に転換することが求められています。
道路分野に限らず、今後のインフラ整備において、ネイチャーポジティブは重要な視点・取組となりつつあります。
もくじ
ページ番号 | 内容 |
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研究報告 ●河川政策グループ 副総括(首席研究員)鶴田 舞 ●河川政策グループ 主席研究員 伊藤 崇宏 ●河川政策グループ 首席研究員 田村 善昭 ●河川政策グループ 副総括(首席研究員) 田 昇一 |
008 |
研究報告 ●河川政策グループ 主任研究員 藤津 亜弥子 ●河川政策グループ 首席研究員 遠藤 武志 ●河川政策グループ 上席主任研究員 宮本 和樹 |
014 |
研究報告 道路分野におけるネイチャーポジティブの必要性と今後に向けた取組の提案 ●道路政策グループ 研究員 多田 ~ ●道路政策グループ 副総括 (首席研究員) 乙守 和人 ●道路政策グループ 副総括 (首席研究員) 野平 勝 ●道路政策グループ 道路空間チームリーダー (上席主任研究員) 竹本 由美 ●道路政策グループ 総括(研究主幹) 池田 裕二 |
018 |
研究報告 ●道路政策グループ 総括(研究主幹) 池田 裕二 ●道路政策グループ 副総括 (首席研究員) 乙守 和人 ●道路政策グループ 副総括 (首席研究員) 野平 勝 ●道路政策グループ 主任研究員 池下 英典 |
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研究報告 安全で安心して暮らせる居住環境の実現に向けた建築物のバリアフリー化の推進 ●都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 沼尻 恵子 |
026 |
研究報告 建設現場の脱炭素調達の必要性と排出量の算定手法の検討、今後の方向性 ●技術・調達政策グループ 総括(研究主幹) 早川 潤 ●技術・調達政策グループ 副総括(首席研究員) 佐藤 重孝 ●技術・調達政策グループ 首席研究員 佐々木 正 ●技術・調達政策グループ 主任研究員 山口 真基 ●技術・調達政策グループ 主席研究員 岡本 英靖 ●技術・調達政策グループ 主席研究員 野村 洋人 |
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研究報告 ●技術・調達政策グループ 上席主任研究員 高橋 千明 ●技術・調達政策グループ 元副総括 篠田 宗純 ●技術・調達政策グループ 元主席研究員 小野 信治 ●技術・調達政策グループ 主席研究員 片山 祐介 ●技術・調達政策グループ 主席研究員 野村 洋人 |
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国土政策研究所 講演会 皆で運ぶ、物流の未来 〜 NEXT Logistics Japan の挑戦〜 ●NEXT Logistics Japan 株式会社 代表取締役社長 CEO 梅村 幸生 氏 |
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事業紹介・事業報告 ●情報・企画部 研究員 白井 克哉 |
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