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『護岸力学設計法』の改訂事項
掲載日時:2007/08/16
はじめに
平成11年に当センターで発行した「護岸の力学設計法」について、下記のような視点から見直し、改訂を行いましたのでお知らせいたします。改訂版は、山海堂より近日発売される予定ですが、ホームページでは改訂部分のみを掲載いたします。
改訂の視点
視点1:護岸には適切な粗度を設けることの追記
護岸に作用する流体力を下げればよいといった一部条件を満足することに囚われた設計に頼って護岸の表面形状を滑らかにしすぎたために、護岸周辺の流速が大きくなり、護岸前面や周辺の侵食、洗堀力が増すなどして、設計対象の護岸及び周辺の河川管理施設の構造に支障を及ぼす事例が見られるため、護岸表面には適切な粗度を設ける必要性を記述しました。
視点2:護岸粗度の設計流速への反映(中小河川の単断面の場合)
設計水深時の潤辺に河岸の占める割合が大きな単断面の中小河川では、河岸のり面粗度(護岸の粗度)が平均流速に有意な影響を及ぼすため、平均流速算定時に護岸の粗度を反映するものとしました。
視点3:護岸の性能試験法との整合性
護岸力学設計法の刊行以降、護岸ブロックの水理特性試験法が確立し、多くのブロックで護岸ブロックの水理特性試験法(財団法人 土木研究センター)に基づく性能試験を実施していることから、設計に当たっては、上記試験により得られた相当粗度、抗力係数、揚力係数、投影面積を使用することを基本としました。