JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第17回国土技術開発賞

地域貢献技術賞 永久型枠工法 技術開発者 南 修 受賞コメント

第17回国土技術開発賞 地域貢献技術賞 永久型枠工法
技術開発者 (株)南組  氏名:南 修

受賞にあたって

このたびは、第17回国土技術開発賞 地域貢献賞という名誉ある賞を賜り、まことにありがとうございます。この開発にあたり、北海道開発局港湾関係部署、北海道庁、日高振興局、室蘭工業大学等々、多くの方々のご指導、ご支援、御協力を頂きで完成する事ができました。心より御礼申し上げます。

当社方針であります、「常により良い技術を求め、顧客の信頼を得、地域貢献を目指す。」を掲げ、業務に努めてまいりましたが、まさにその実践をこの度の賞で実現する機会を頂き喜びに堪えません。当社は長年にわたり海洋土木を主体に、建設業を営んできましたが、最近漁港・港湾においては凍結融解作用等により、護岸、防波堤等における干満帯の劣化・欠損部が多く出ており、その補修を行う工事が発注されてきております。特に地方の小さな漁港では、従来の腹付工法では、港が狭くなり、漁師の方が困るとの話も聞いておりました。

 数年前より、当社及び関連会社の生コン会社でコンクリート補修用の繊維入りモルタルの開発を進め、従来より安価で、凍結融解にも強い製品ができ、工事で使用されております。その時の開発ノウハウをいかし、工事費のコストダウン、工期短縮ができる工法を開発できないものかと考えておりました。繊維入りモルタルを基礎素材とし、鉄を使用せず、塩害に強い、ボルト・ナット、永久型枠パネルを開発することができ、合わせて作業の効率化を図るため、形状自在褄枠(移動式水中作業足場付)も開発し、永久型枠工法として一連の開発がなされました。私の発想を関連会社職員が実現化し、試行錯誤の連続で形にする事が出来ました。又、永久型枠工法の推進に当りに試験施工の機会を与えて頂いた漁業の関係者を始め皆様方にこの場を借りて感謝申し上げます。

受賞後の動き

当社の特長である『補修モルタルメーカー、2次製品メーカー、施工会社を総合的に運営できる建設会社』を最大限に生かして、この度受賞した技術を元に更なる技術を開発したいと思っております。永久型枠工法は試験施工を含めて実際に施工している実績があることから、発注者や設計コンサルタント会社からの引き合いをはじめ、海岸構造物や河川、道路、農業、その他に至るまでの幅広い分野においても補修方法の相談が数多く寄せられております。この工法で漁港を補修すると間口や泊地が縮小しないという大きなメリットがあるので、発注者や設計コンサルタント会社のみならず、エンドユーザーである漁業協同組合にも引き続きPRしていきたいと考えています。

また、今後は地域貢献賞の名のとおり、この技術を全国へ広めていくことで仕事を創り、地域の雇用確保をしていきたいと考えています。