水災害リスク評価支援システム
はじめに
本システムは、企業の拠点における資産等に関する情報を入力することで、洪水浸水による想定被害を概略的に算定するシステムです。2023年3月に公開した「洪水による浸水リスク試算ツール〜TCFD等の物理的リスク評価〜」をベースにしています。
TCFD提言における物理的リスク評価の手引きの内容に準拠
- 本システムは「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き〜気候変動を踏まえた洪水による浸水リスク評価〜」(以下「手引き」という。)の内容に準拠して作成しています。
- 本システムは手引きの全ての事項を網羅しているものではなく、手引きに示される概略的な検討の補助となるように作成しています。
- 手引きの改定等により、内容等に差異が生じる場合がありますので、予めご了承くださいますようお願いいたします。
特に推奨する事柄
- 本システムは、入力いただいた地点の浸水深を国土交通省が提供しているウェブサイト「浸水ナビ」から把握して、被害額の計算を行うシステムです。拠点周辺の浸水リスクをハザードマップなどを用いてきちんと把握して、このシステムによる計算が妥当かを確認することを推奨します。
洪水規模に応じた被害額・損失額の算定方法
- 本システムでは、手引きに準拠して、洪水規模別被害率を用いて、建物被害額、建物以外の償却資産・在庫資産の被害額、営業停止損失額を算出することができます。
- 手引き「3.6. 洪水規模に応じた被害額・損失額の算定方法」では、 治水経済調査マニュアル(案)の知見を企業評価向けに簡便化した洪水規模に応じた被害額・損失額の算定方法を示しています。本システムにおいてもこれに準拠して被害額を算定します。
- 手引きでは、治水経済調査マニュアル(案)の知見を簡便化し、建物の被害額に関しての地盤勾配や建物および建物以外の償却資産・在庫資産の被害額に関しての床上洪水規模の算定を合理化しています。具体的には地盤勾配を1つにし、事業用建築物では1階床高さと地盤高がほぼ等しい場合も多いことから、床高さ設定が不要な事業用建築物向けの洪水規模別被害率を提示しています。これにより、洪水規模から被害率を直接的に算出できるようにしています。
- 本システムでも、手引きに従って簡便化した手法を用いています。地盤勾配の設定、1階床高さの設定等を詳細に行いたい場合は、それらを考慮して計算することが必要です。 また、被害率についても独自の数値を用いることも考えられます。手引きではそうした設定も取り得ることが示されていますので、その場合は、本システムに依らずに算出を行うようにして下さい。