JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第15回国土技術開発賞

地域貢献技術賞(国土交通大臣表彰)

セーフティガイドレール (第15回国土技術開発賞 地域貢献技術賞)

ミッションセーフティガイドレール
応募技術名称セーフティガイドレール
副題立坑の掘削時において作業者の安全性及び施工性の向上を図る揚土技術
応募者名(株)山全
技術開発者〔(株)山全〕 桃平 久夫

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 従来技術では、立坑内の土砂等を搬出する際に、クレーンにより直接土砂バケットを上下昇降させていた。よって、土砂バケットや土砂が横揺れ等により落下する危険性があり、作業者も昇降時は立坑内の隅に退避することが必要で、その都度掘削作業も停止したため、作業効率性に問題があった。そのような時、四国山地砂防事務所からの発注工事にて、集水井工事における作業者の安全管理における技術提案を求められ、開発したのが契機である。

2.技術の内容

 立坑掘削時の土砂や仮設資材等を搬入搬出の際に、ライナープレートにセーフティガイドレールを取り付け、バケットの横揺れや吊り荷の落下を防止し、作業者の安全性の向上と作業時間の短縮を実現した。土砂運搬時はベアリングをガイドレールでサポートしながら、一定の位置でバケットの揚重作業を行う技術である。

3.技術の効果

@(安全性の向上)揚重作業時の土砂バケットの横揺れやバケット内の土砂等の落下がなくなるので、作業者の安全性が確実に向上する。

A(経済性の向上)ライナープレートに取り付けたガイドレール内をベアリングでの上下移動が可能なため、円滑でスピーディな揚重作業が実現し、施工性の向上と工程の短縮が図れる。

B(部材の保全)従来技術では土砂バケットの横揺れ等により、ライナープレートの損傷が懸念されたが、セーフティガイドレールの使用で解消された。

4.技術の適用範囲

各種立坑(集水井・深礎工及び下水工事等)

5.技術の適用実績

国土交通省(四国地方整備局) 平成22−23年度 善徳集水井工事  他12件

6.地域への貢献

 徳島県三好市は、中央構造線上に位置し、日本有数の地すべり地帯である。脆弱な地質で地下水も豊富なことから、地すべり抑制工として集水井工が多く採用されている。集水井の掘削作業は非常に危険性が高いことから、安全性が向上する「セーフティガイドレール」を開発した。この技術の活用によって、坑内作業に対する安心感と意欲向上にも役立ち、地域の安全対策に貢献している。

写真・図・表