受賞技術概要
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第2回建設技術開発賞
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- 第2回建設技術開発賞
最優秀賞(建設大臣表彰)
バーコードを利用したセグメント・ジャストインタイム施工管理システム (第2回建設技術開発賞 最優秀賞)
ミッション | 高度な情報通信技術等の採用により、現場管理等のマネジメント部分を向上する |
応募技術名称 | バーコードを利用したセグメント・ジャストインタイム施工管理システム |
副題 | IT技術を駆使したセグメント搬入・入庫・保管・出庫・坑内搬送自動化システム |
応募者名 | 清水建設株式会社 |
技術の概要
1.開発の背景と目的
今井川地下調節池工事は、流域の浸水被害の防止・軽減を図るために国道1号線下に、内径10.8m、延長2kmのトンネル式地下調節池をシールド工法で建設するものである。
工事場所は、交通頻繁な国道1号線脇の住宅地域で、適切な工事用地の確保が困難であった。また、使用するセグメントは400種類を越え、その入庫・保管・出庫管理は困難が予想されたため、効率的な管理システムが必要となった。

バーコードリーダ

坑内自動搬送システム
2.技術の内容
400種類、約2万個におよぶセグメントをバーコードを用いて集中管理し、入庫・保管・出庫・坑内搬送までの一連の作業を自動化することで、シールド掘進計画にあわせ、ジャストインタイムでセグメント供給を行なう施工管理システムである。
システムの主な構成は、シールド現場では初めてのバーコード管理システム、ラック容積の最小化を図った高精度の立坑自動ストックシステム及び信頼性の高い通信技術を用いた坑内自動搬送システムからなっており、これらのシステムを中央監視装置で集中管理を行う。
バーコードラベル
立坑自動ストックシステム
3.技術の効果
多種類のセグメントを取扱う生産工場から現場ヤードまでの一連の作業においてジャストインタイムで集中管理でき、手待ち・手戻りのない施工管理を実現した。
従来、同規模のシールド工事では約1万m2程度の仮設ヤード面積が必要であったが、約半分のヤード面積で対応できた。
工事の進捗に合わせて、セグメントの入庫・保管・出庫・坑内搬送までの一連の作業を完全自動化したため、省力化・安全性が向上した。入出庫のサイクルタイムが従来工法の半分になったのと、セグメントを間違えるといった人為ミスが皆無になっている。また、セグメント搬入車輌の計画的な運行管理ができ、近隣道路の交通渋滞の緩和に貢献している。
4.技術の適用範囲等
- 全てのシールド現場に適用できるが、経済性を考慮すれば、狭隘な作業基地しか確保できない市街地や長距離掘進シールド工事では特に効果が大きい。
- 本システムは、シールド工事のセグメントに限らず多種類の資機材を管理・ストックする場合や、複数の車輌を管理する場合などにも展開できる。
- 適用実績 今井川地下調節池建設工事 他1件

セグメント・ジャストインタイム施工管理システム概要