JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第4回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

AMP(Air Mixing Pillar)工法 (第4回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称AMP(Air Mixing Pillar)工法
副題排泥を全く出さない環境に優しい地盤改良工法
応募者名西松建設(株)
山伸工業(株)
技術開発者西松建設(株) 稲葉 力
        武井 正孝
山伸工業(株) 山下 伸一
(有)創友   宮崎 洋一
共同開発者(有)創友

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 セメント系固化材を用いた地盤改良工法では、そのほとんどの工法において排泥が発生するため、その処理コストの増大および環境への負荷の増大等が問題となっている。本工法は、在来工法と同等の品質の改良体を、全く排泥を出さずに造成することを目的として開発されたものである。

2.技術の内容

 本工法は、特殊ループ式ビットを装着した単軸の攪拌ロッドを用い、機械攪拌と超高圧噴射攪拌を併用することにより、地盤変位を抑制し、排泥を出さずにビット径に応じた大口径の改良体を造成する機械攪拌エアーミルク混合圧送工法である。特殊ループ式ビットは、その先端部の切削ビットとループ状のスクリューオーガーから構成されている。このオーガーの形状効果と施工上の工夫(エアーのみでの削孔、高濃度注入材の使用、注入材の単位注入量や引き上げ速度の調節など)により、排泥を全く出さずに改良を行うことができる。

3.技術の効果

 技術開発の目標と達成度:改良体造成時の排泥をゼロとし、地盤改良におけるゼロエミッションを達成することを目標とし、その目標を100%達成することができた。

 コストおよび性能:排泥処理を必要としないことにより、在来類似工法に比して2〜5割のコスト縮減が可能である。その他、性能に関する特徴として以下が挙げられる。

  1. 大口径(最大でφ2300mm)の施工が可能であるため、1日の施工量を大きくでき、工期短縮が可能
  2. 周辺地盤への影響がほとんど無い
  3. 施工機械がコンパクトであり狭隘な場所でも施工可能

4.技術の適用範囲等

  • 盛土、擁壁、構造物等の基礎
  • 掘削工事における掘削底面の安定化、地中梁
  • プレボーリング(H鋼・鋼管等の建て込み)
  • 盛土のすべり破壊防止、砂地盤の液状化防止

5.技術の適用実績

宇治川上流護岸工事に伴う斜面安定対策地盤改良工事(2002年2月〜3月) 他7件