SIP第3期スマートモビリティプラットフォームの構築/都市内街路交通をリ・デザインするための技術・政策パッケージの開発

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エス・アイ・ピー)とは
SIP第3期「スマートモビリティプラットフォームの構築」について
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採択テーマ
都市内街路交通をリ・デザインするための技術・政策パッケージの開発
研究開発テーマ
- 安全・安心・賑わいのあるみち空間と交通システム構築
- 安全・快適・豊かなモビリティの実現のための、サイバーフィジカル型道路空間デジタルシステム基盤(デジタルサンドボックス)の構築
取組概要
本研究課題では、我が国の街路での生活道路への自動車の侵入と事故の多発、中心市街地における賑わいの喪失等の課題に対処するため、小道路(細街路)とともに自動車道路も含めた総合的なモニタリングシステムの構築、移動手段を総合した多次元の階層化交通運用実現のための基礎理論の体系化、政策パッケージを構成する技術項目の整理・体系化と社会実装、政策パッケージ実導入実現に向けたプロセス提案と社会実装、および政策パッケージ実現に向けた制度・ルール上の課題整理と提案を行います。
解決を目指す課題
- まち中において、安全・安心に暮らすことができ、にぎわいと活力のある、誰もが自由なモビリティを享受できる社会の構築
- 自治体が、リソースを限定された状況下においても管轄内の道路交通に関わる現状や課題を的確に把握し、適時に改善できる社会の構築
- 街路交通の計画・マネジメントを担う専門技術者が、高付加価値な新たな技術サービスを提供することで、質の高い都市内街路交通を実現できる社会の構築
コンソーシアムのメンバー
- 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
- 一般財団法人国土技術研究センター
- 国立大学法人東京大学*
- 学校法人福岡大学**
- 国立大学法人東海国立大学機構**
- 国立大学法人京都大学**
*共同実施 **再委託
国内外先行事例集
本研究開発では、開発したツール類を政策の実現に活用していただくため、「政策パッケージガイド(仮称・案)」を策定しております。また、ガイドの内容を補完・支援することを目的として、国内外の先行事例を体系的に整理し、一体的に構成しております。
本ウェブサイトでは、その成果の一部を先行して公開しております。都市内小道路(生活道路)の改善に取り組む自治体担当者やコンサルタントの皆様の実務において、一助となれば幸いです。 事例の役割は以下のように二つあり、各事例の下部に参考としていただくポイントを整理しています。

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各事例は、以下の「都市内小道路対策のプロセス」において、「実施すること/したいこと」「困っていること」に対応しており、クリックすると該当する事例にジャンプします。
| 生活道路対策の プロセス |
何がしたい? 何に困っている? |
|---|---|
| 課題把握・分析 | 対策の必要があるのか/どこから対策したらよいのか |
| 検討の範囲はどれくらいの広さがよいか | |
| まず何が問題なのか状況を把握したい | |
| 住民の意見をきちんと把握したい | |
| 対策検討・立案 | どんな対策をどこにすればよいのか知りたい |
| 交差点での事故を減らしたい | |
| 学校周辺の安心・安全を強化したい | |
| 通過交通をなんとかしたい | |
| その他の対策事例 | |
| どうやって社会実験をしたらよいのか | |
| 対策実施 | |
| 効果検証 |
【課題把握・分析】対策の必要があるのか/どこから対策したらよいのか
市の危険度を把握・他市と比較
市の危険度を把握・他市と比較(米・フィラデルフィア市)
- ビジョン・ゼロの計画は、データ収集・分析が核となっている
- 傷害事故多発ネットワーク(High Injury Network, 以下HIN )は、1マイルあたりの死亡および重傷事故発生率が最も高い道路を特定⇒全道路の12%で80%の死亡・重傷事故が発生
- 他市と比較し交通事故死亡者数が多いことも示している
歩行者死亡・重傷事故とHIN

交通事故死亡者はNYCの3倍(10万人あたり7.4人)

事故死亡者の中で歩行者の割合が多い(過去4年間と2022年の比較)

出典:フィラデルフィア市交通インフラシステムオフィス(OTIS)「Vision Zero Action Plan 2030」 https://storymaps.arcgis.com/stories/3cc652cb864c4b41a1177eb8c0e9a8ce
調査協力:Go2Marketing LLC
対策地区の優先度の検討
死傷事故データによる対策地区の選定
死傷事故データによる対策地区の選定(埼玉県朝霞市)
- 朝霞市では、市内全域を対象に死傷事故データにより対策地区を選定
- 死傷事故を県平均3倍以上、県平均以上で可視化

出典:埼玉県朝霞市公式ホームページ https://www.city.asaka.lg.jp/uploaded/attachment/76265.pdf
指標による交通安全対策箇所の選定
指標による交通安全対策箇所の選定(千葉県船橋市)
- 船橋市では、市内全域を対象に複数の指標に基づいた交通安全対策優先度を評価し可視化
- 指標は、死傷事故、急減速挙動に加え、人口や対策要望等も含まれており、点数化


出典:船橋市 第6回船橋市交通ビッグデータ見える化協議会資料https://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/koutsu/007/p107456_d/fil/kyougikaisiryou.pdf
学校別の対策優先度
学校別の対策優先度(米・ミルウォーキー市)
・安全な通学路(Safe Route to School, 以下SRTS)事業※において、市ではインフラ整備の効果的な資金投入のため、事故データ等を含む指標で対策する学校地区の優先順位付けを実施
→市の限られた資金を最も必要な場所に投入
※全米で展開している、子どもたちが安全かつ健康的に徒歩や自転車で通学できる環境整備・教育等を行う包括的な取組み
優先順位付けの方法
・市内全249校(生徒数100人以上)を対象に、優先順位付けを実施
・4つの基準に付与されるポイントの合計得点によりランキング化

注1)学校から1,000ft(約305m)内の交差点での交通事故リスク
注2)生徒のうち、無料または割引昼食の対象となる生徒の割合
注3)地域の人口統計指数(低所得世帯の割合とヒスパニックまたは非白人少数民族の割合に基づく)
ランキング結果の公表
・市の「SRTS戦略計画」資料でランキングを公開
・分かりやすく可視化も実施


小学校ランキングの可視化(濃いオレンジ色へいくほどランキングが高い)
出典:City of Milwaukee: Safe Routes to School Strategic Plan, 2021.6
City of Milwaukee: Milwaukee Pedestrian Plan, 2019.6
【課題把握・分析】検討の範囲はどれくらいの広さがよいか
エリアの設定・大きさ
エリアの設定・大きさ(仏・パリ市)
- 対策対象エリアとして、区の中を人口3万人程度で分割
- 大半のエリアは面積1〜2㎢で、小学校が存在

- 小学校区を範囲としたエリア設定はコミュニティの単位とも整合性が高く、合意形成がしやすいことが示唆される

- 住民の意欲が高いところから着手してモデルケースとする

出典:原わかな他:日本における人優先の生活道路・賑わい道路の推進へ向けた課題−仏 EVQ 等海外事例から−, 第 70 回土木計画学研究発表会・講演集
【課題把握・分析】まず何が問題なのか状況を把握したい
ビジョン・ゼロ・ビュー(オープンデータ)による可視化
ビジョン・ゼロ・ビュー(オープンデータ)による可視化 (米・ニューヨーク市)
- ビジョン・ゼロ・ビューは市全体の交通安全戦略である「ビジョン・ゼロ」の一環として、データ駆動型のアプローチを可視化し、推進するためのツール
- ニューヨーク市全体の交通事故による負傷者・死亡者に関する情報、市による道路整備等の安全対策の実施状況を可視化しており、誰もがアクセス可能
ビジョン・ゼロ・ビューの搭載情報
| 分類 | データ内容(抜粋) |
|---|---|
| 事故※ | 死亡事故 |
| 負負事故 | |
| 道路設計 | 歩行者先行信号 |
| 主要な道路改良プロジェクト | |
| 幹線道路低速ゾーン | |
| スピードハンプ | |
| 高齢歩行者ゾーン | |
| 近隣低速ゾーン | |
| ターン・カーミング・プログラム(右左折静穏化対策) | |
| 制限速度 | − |
| 施設等 | 学校 |
| 高齢者施設 |
アウトプット事例《道路設計情報》
・複数の対策(スピードハンプ、ターン・カーミング・プログラム等)を重ねて表示可能
・導入年毎、累計、ビジョン・ゼロの取組み以降等表示する時期を選択可能
・選択条件(対策種類・時期)と図が連動して表示される

出典:ニューヨーク市, Vision Zero Building a Safer City, https://www.nyc.gov/content/visionzero/pages/open-data
ニューヨーク市, Vision Zero View, https://vzv.nyc/
データ活用・可視化による多角的な現状診断(仏・パリ市)〈EVQ事業〉
データ活用・可視化による多角的な現状診断(仏・パリ市)
- 「現状診断(diagnostic)」は主に市及び外郭団体のオープンデータを活用(職員のみ詳細データが見られるものあり)
- 多角的な項目でまち、エリアの実態を包括的に診断
| 章タイトル | 診断項目 |
|---|---|
| 01地図による確認 | 人口統計と社会経済指標(人口密度、雇用、人口構造、貧困率、職業的カテゴリー等) |
| 02地域の活力と生活 | 商業施設、店舗の種類、公共施設(保育・教育施設等、スポーツ、文化施設等、医療と福祉、コミュニティ施設等) |
| 03移動性と公共空間 | 下表を参照↓ |
| 04生活環境 | 地区の歴史、地理的特徴、都市環境、建築遺産 |
| 緑化(広場や公園等)、緑化とヒートアイランドの状況、緑のネットワークと生物多様性、街路樹 | |
| サーマルコンフォート、大気汚染(二酸化窒素とベンゼン、オゾンとPM2.5)、 | |
| 道路騒音、街灯、廃棄物投棄場所、美化状況、 | |
| 05最近・現在・将来の動向 | 最近実施された開発事業、既に予定されている事業 |
| 06行動指針のまとめ | 地区を強化するための診断、発展の可能性、行動指針のまとめ |
| 03 移動性と公共空間の診断項目 | |
|---|---|
| 自動車保有 | 世帯の自動車保有率 |
| 公共交通 | 公共交通機関による交通手段 |
| 公共交通機関の利便性 | |
| 道路 | 道路幅員 |
| 道路交通量 | |
| 歩道幅員 | |
| バリアフリーでない道路、狭い歩道 | |
| 交通 | 歩行者の交通量 |
| 車両交通量 | |
| 自転車専用道路と連続性 | |
| 車両通行方向 | |
| 道路の管轄組織 | |
| 実施している交通規制等(出会いゾーン、歩行者専用等) | |
| 信号機のある交差点 | |
| 事故 | 事故の発生箇所 |
| 交通モードごとの交通事故発生件数・箇所 | |
| 駐車スペース | 路面駐車場の供給状況 |
| 配送のための駐車スペース(定期配送ゾーン、常設配送ゾーン) | |
| 障害者用駐車スペース | |
| 充電ステーション | |
| カーシェアリング等のサービスステーション | |
| 駐輪スペース | シェアリング自転車ポート |
| 電動二輪専用車用駐車条 | |
| 混合駐輪場 | |
| 駐輪場 | |
| その他駐車・駐輪 | 路上駐車スペースの悪用状況 |
| 民間(私有)駐車場 | |
出典: Quartier Jardin de Reuilly -Diagnostic dans le cadre de la démarche « Embellir votre quartier»- (ルイイ公園地区 EVQの現状診断, https://cdn.paris.fr/paris/2021/04/09/91ecaaa5ffe70f6cf0f0aa7d4da2c1fb.pdf)より作成
【課題把握・分析】住民の意見をきちんと把握したい
効果的な探索散策ツアー(仏・パリ市)〈EVQ事業〉
効果的な探索散策ツアー(仏・パリ市)〈EVQ事業〉
- まちを歩きながら、まちの問題をチェックし、対応への提案をリストアップ
- 最後に円陣でブリーフィングを実施⇒意見を受け止める
- ツアー用の記入用紙は定型フォームを活用し効率化(ウェブからダウンロード可)



ガール・ド・リヨン地区の探索散策ツアーの様子

出典:Présentation de la réunion publique de restitution - Aligre Gare de Lyon(ガール・ド・リヨン地区公開会議資料, https://cdn.paris.fr/paris/2023/06/07/presentation-de-la-reunion-publique-de-restitution-aligre-gare-de-lyon-ClrN.pdf),
パリ市提供資料, パリ市及びC.A.U.E75へのヒアリング調査,
ヴァンソン藤井由実:フランスのウォーカブルシティ 歩きたくなる都市のデザイン(学芸出版社, 2023.5)
集会に参加しない層の意見を収集するアトリエ(仏・パリ市)〈EVQ事業〉
集会に参加しない層の意見を収集するアトリエ(仏・パリ市) 〈EVQ事業〉
- 朝市や学校前等で地図を広げて、地域の問題、要望等を自由に発言してもらい、地図上に可視化
- 市民集会等に参加しない「普通の人」の意見の聴取を実施


出典:Présentation de la réunion publique de restitution - Aligre Gare de Lyon(ガール・ド・リヨン地区公開会議資料, https://cdn.paris.fr/paris/2023/06/07/presentation-de-la-reunion-publique-de-restitution-aligre-gare-de-lyon-ClrN.pdf),
パリ市提供資料, パリ市及びC.A.U.E75へのヒアリング調査
|
【参考】日本におけるサイレント層の研究 サイレント層は問題がないから回答しない訳ではないこと、身近な範囲の問題の場合は回答する傾向があること、対策案等について賛同しない場合も無回答になる傾向があることを考察している。 出典:小嶋他:地区交通計画におけるサイレント層の意識構造に関する研究 |
小学生を対象とした教育を兼ねた意見聴取(仏・パリ市) 〈EVQ事業〉
小学生を対象とした教育を兼ねた意見聴取(仏・パリ市) 〈EVQ事業〉
- EVQ事業での意見聴取を小学生も対象に実施している区もある
- 学校の授業の中で実施しており、まち・道路を見る視点・ポイントなどを学ぶ場にもなっている

出典:C.A.U.E75へのヒアリング調査, C.A.U.E提供資料
<参考>子ども達が考える「いい道路」の事例(コラージュ)
- EVQ事業での意見聴取を小学生も対象に実施している区もある子どもたちに、まちのことを考えるきっかけをつくる、まちを見る目を養う活動
- 子どもには選挙権はないものの、まちの将来を見据え教育を兼ねた市民参加活動を実施

<参考>総合的な学習の時間の目標
探究的な見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
- 探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究的な学習のよさを理解するようにする。
- 実社会や実生活の中から問いを見いだし,自分で課題を立て,情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする。
- 探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら,積極的に社会に参画しようとする態度を養う。
引用:文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編, p.8
【対策検討・立案】どんな対策をどこにすればよいのか知りたい
AI技術を活用した対策検討
事故危険度予測モデルの構築(静岡県浜松市)
事故危険度予測モデルの構築(静岡県浜松市)
- 交通事故の削減を目的に、AI技術を活用した事故危険度予測モデルを構築
- 事故多発箇所のみならず、潜在的に事故危険性の高い箇所の抽出も可能なため、危険性の高い箇所から効果的な対策が実施可能
事故危険度予測モデル(イメージ)
市内の事故データと各種データ(道路構造、沿道土地利用、衛星画像等)のAI分析により、危険性の高い箇所から効果的に対策を実施


出典:浜松市ウェブサイト, 交通事故AI分析の概要, https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/154691/koutsujikoaigaiyou.pdf
交通事故データの詳細分析に基づいた優先課題の明確化(ニューヨーク市)
交通事故データの詳細分析に基づいた優先課題の明確化(ニューヨーク市)
- 「ビジョン・ゼロ」の推進のためデータ駆動型で交通事故を詳細に分析
- 車両の左折による歩行者・自転車利用者の死亡者数が右折の2倍以上、死傷者数は3倍以上であることから、車両左折時の事故削減を最優先課題として対策を推進
分析結果
〈車両の走行状況〉
- 左折車両による歩行者および自転車利用者の死亡・重傷事故(KSI:Killed or severely injured)の発生率は、右折車両による同種の事故(6%)の3倍以上(19%)

交差点における車両行動別歩行者・自転車のKSI
〈地理的分析〉
- 左折時の歩行者および自転車利用者の負傷事故は、左折以外も含めた歩行者のKSIと同様の場所に集中しているとともに、市の約39,000カ所の交差点のうち、わずか18%の交差点で発生

左折車両による歩行者・自転車の負傷者密度
〈交差点の特徴〉
- 左折による歩行者および自転車利用者の負傷が発生した場所の大部分は、信号交差点(80%)

左折時の歩行者・自転車の負傷事故の交差点タイプ
出典: New York City: Don’t Cut Corners, https://www.nyc.gov/html/dot/downloads/pdf/left-turn-pedestrian-and-bicycle-crash-study.pdf
交差点での事故を減らしたい
ターン・カーミング・プログラム(米・ニューヨーク市)
ターン・カーミング・プログラム(米・ニューヨーク市)
- 左折車両の歩行者・自転車利用者との衝突事故への対策として導入
- 交差点内にゴム製縁石、スローターンウェッジ/ボックス標示、ラバーポール、ゴム製スピードバンプ等の物理的デバイスを組合わせて設置することにより、車両の右左折時の速度を抑制
- 他市と比較し交通事故死亡者数が多いことも示している


出典:New York City DOT: Turn Calming Program, https://www.nyc.gov/html/dot/html/pedestrians/turn-calming.shtml
プロテクテッド・インターセクション(米・シアトル市・サンフランシスコ市他)
プロテクテッド・インターセクション(米・シアトル市・サンフランシスコ市他)
- 歩行者、自転車、車両間の衝突事故への対策として、プロテクテッド・インターセクションを導入
- 右左折車両の速度抑制、自動車運転者の視界確保、全ての道路利用者に独立した空間確保等により、道路利用者間の衝突を軽減
安全上の利点
- 歩行者、自転車、運転者間の衝突ポイントの減少
- 予測可能な動きの促進
- 自転車や歩行者が自動車運転者の視界範囲内に位置
- 交差点内の歩行者と自転車の通行空間が明確
- 大型車両は、適切な旋回半径を維持しながら、右折時速度低減

プロテクテッド・インターセクションの導入事例 (サンタモニカ市)
出典:NACTO Designing Cities 2024
道路構造

適用可能な道路の種類
- 都市内等の主要幹線道路、準幹線道路、および地方主要道路に適用可能
- 自転車や車両が多く通行する信号付き交差点で最も効果を発揮
対策効果
自動車運転者の譲り率が向上
- 対自転車:98%
- 対歩行者:100%
出典: Arlington County: VISION ZERO,
https://www.arlingtonva.us/Government/Programs/Transportation/Vision-Zero/Action/Tools-and-Guidelines/Tools/Protected-Intersections
Alta Planning +*Design: Evolution of the Protected Intersection, 2015
https://altago.com/wp-content/uploads/Evolution-of-the-Protected-Intersection_ALTA-2015.pdf
学校周辺の安心・安全を強化したい
学校前道路 Rues aux Ecoles(仏・パリ市)
学校前道路 Rues aux Ecoles(仏・パリ市)
- 学校前の交通静穏化のための道路整備と交通規制を組合わせて対策
- 保育園と小学校の半数に相当する300の道路の交通静穏化(100の道路の景観整備と植栽を含む, 2025年9月時点)

出典:パリ市ウェブサイト 学校前道路制度の対象校 https://capgeo.sig.paris.fr/Apps/RuesAuxEcoles/
※現在はアクセス不能 2025年11月25日最終閲覧

出典:パリ市ウェブサイト https://www.paris.fr/pages/57-nouvelles-rues-aux-ecoles-dans-paris-8197
12区 ブレシュ=オ=ループ通り

5区 サン=ヴィクトール通り

出典:パリ市ウェブサイト 学校前道路の整備前後 https://www.paris.fr/pages/57-nouvelles-rues-aux-ecoles-dans-paris-8197#arrondissement-8-vlx72
通過交通をなんとかしたい
一方通行の対向等の対策
交通流計画の策定プロセス(仏・パリ市) 〈EVQ事業〉
交通流計画の策定プロセス(仏・パリ市)
- 地域全体の交通流計画を以下の手順で実施

下図の計画から道路階層は以下に分類していることが読み取れる
- 幹線道路
- 地域の主要ルート
- エリア内主要ルート
- その他

出典:パリ市提供資料「DémarcheEmbellir votre quartier2020-2026」に一部加筆
ライジングボラード(独・バートクロイツナッハ市他)
ライジングボラード(独・バートクロイツナッハ市他)
- バートクロイツナッハ市では、地区内道路における通過交通対策として、車両通行規制や狭さくの整備が行われたが、十分な交通量の削減効果がみられなかったため、ライジングボラードを設置
- 路線バスや許可車両については、通行できるようリモコンや通信システムで運用
設置状況
・沿道に小学校や幼稚園が立地する地区内道路の出入り口に設置

バートクロイツナッハ市に設置されたライジングボラード
運用について
・ライジングボラードの下降操作には、各国、各地域で様々な方法で運用
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| デバイスの配布 | リモコン、ICEカード、鍵等がある |
| 暗証番号の発行 | 通行時キーパッドに暗証番号を入力 |
| 無線送受信 | トランスポンダを車両に取り付け路車間通信 |
| ナンバープレート認証 | 事前に登録されたナンバープレートをカメラ認識 |

・バートクリツナッハ市の運用方法
●路線バス:リモコンから操作
●その他の一般許可車両:登録した許可者の携帯電話からライジングボラードシステムに電話
日本での導入事例

中心市街地の商店街の導入事例(新潟県新潟市新潟市ふるまちモール6)

小学校前道路の導入事例 (新潟県新潟市 日和山小学校前)
出典:公益財団法人 国際交通安全学会: ソフトライジングボラード 導入ガイドライン2015, 2015.3,
https://www.iatss.or.jp/entry_img/h2643Guideline.pdf
国交省環境安全課道路交通安全対策室, ライジングボラード事例集2018, https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/sesaku/pdf/bollard.pdf
その他の対策事例
全方向一時停止(All Way Stop(4-Way Stop)(米)
All Way Stop(4-Way Stop)(米)

- 信号機のない交差点において、全ての方向から進入する車両が一時停止を義務付けられる交通ルール
- 全ての車両は交差点で一時停止し、歩行者には常に優先権がある
- 交通量の少ない交差点や、歩行者や車両の追突事故が多い場所などで、信号機を設置する費用や維持管理の手間をかけずに安全性を高めるために導入されることが多い
「All Way Stop」の主なルールとポイント
- 全ての車両が一時停止
- 先着順に進行
- 交通量の少ない交差点や、歩行者や車両の追突
- 歩行者優先
歩行者は常に優先。たとえ横断歩道が明確に示されていなくても、歩行者がいれば停止して道を譲らならない - 信号機故障時も適用
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| 常に右側に譲る | 直進車が右左折者よりも 優先される |
右折する場合は左折よりも 優先される |
<出典>California DMV Driver's Handbook
https://topdriver.com/education-blog/4-rules-4-way-stops/ に加筆
交差点デーライティング(米・ホーボーケン市)
交差点デーライティング(米・ホーボーケン市)
- 交差点付近における車両の駐停車を制限する安全改善策
- 歩行者は周囲を見やすくなると同時に、車両運転者からの歩行者に対する安全確認が強化
- 歩行者衝突事故は15-30%低減
- 交差点から20ft(6m)以内の駐車を禁止(ニューヨーク州法)
※ホーボーケン市は7年連続死亡事故ゼロの実績があり、ビジョンゼロ成功都市と言われている
「交差点デーライティング」設置方法
◆縁石の延長(植栽の設置を含む)
◆ホワイト・フレックス・ポストの設置
◆共有サイクルやスクーターなどのラックの設置
◆岩石のブロックや巨大なコンクリートのボール
出典:ホーボーケン市ビジョンゼロ資料
調査協力:Go2Marketing LLC
その他ハード・ソフト対策(米・ニューヨーク市)
その他ハード・ソフト対策(米・ニューヨーク市)
・通行量が多い交差点には自転車専用信号を整備し左折車と動線を分けている
・歩行者と自動車の青信号間隔を変えて、安全性向上
・自転車道は通行区分が明確
・交差点デーライティングにより歩行者接触の可能性を低減
・スクールゾーンの速度違反は罰金が高い(FINES HIGHER)
・カメラも稼働中(PHOTO ENFORCED)
出典:ニューヨーク市、トランスポーテーション・オルターネイティブ「Five Lessons for the 10-Year Anniversary of Vision Zero in New York City」 https://projects.transalt.org/lessons-from-vision-zero-new-york-city
調査協力:Go2Marketing LLC
どうやって社会実験をしたらよいのか
社会実験による効果検証@
社会実験による効果検証@
効果検証として社会実験を実施し、交通安全対策の更なる課題を分析
検討項目の整理
- 参加主体の範囲
- 実施内容の協議・調整方法
- 効果検証の方法、社会実験の目的
- 社会実験の手法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参画主体の範囲 | ◎行政とともに協働して社会実験を実施する参画主体を検討 (例)・エリアマネジメント組織 等 |
| 実施内容の協議・調整方法 | ◎社会実験の内容の検討 (例)
|
| 効果検証の方法 | ◎効果検証項目の整理 (例)
(例)
|
社会実験の実施
社会実験後の検証作業
- アンケート調査
- 実施内容の協議・調整方法
- 歩行者空間の創出の効果や課題
- 検証結果のフィードバック
社会実験による効果検証A
社会実験による効果検証A
社会実験を実施する際の主な留意点
- 広報や看板などによる市民へのPR (事前と実施時の周知)
- 関係機関との調整と連携(道路管理者•警察との調整連携、自治会•商店街との協力)
- 実験結果のフィードバック(計画の検証や見直しにつなげる) 等
(参考)社会実験に係わる交通規制の対応は、次の3つが考えられる。
| 警察署長規制 |
道路交通法第5条に基づき、適用期間が1ヶ月を超えない場合に、警察署長は交通規制を行うことができ、短期間の実験を行う場合に対応が可能である。ただし、対象となる規制は以下の13種類に限られる。 ■警察署長規制の対象(道路交通法施行例第3条の2) |
|---|---|
| 公安委員会規制 | 期限をあらかじめ限定した上で、公安委員会の規制そのものを社会実験にともない実施・変更するものであり、警察署長規制の対象で、期間が1ヶ月を超えるもの、または警察署長規制に該当しないものなどが対象となる |
| 新たな交通規制を行わない | 物理的デバイスを本格施工と同程度の構造で設置するような社会実験では、施工時の一時的な時間を除き、新たな交通規制を行わない場合もある。これは短期、長期のどちらのタイプにも考えられる。ただし、道路交通法に基づく道路使用許可や警察協議が必要な場合がある |
EVQ事業とは
EVQ事業とは
出典:パリ市ウェブサイト JARDIN DE REUILLY :UN QUARTIER TRANSFORMÉ,APAISÉ ET VÉGÉTALISÉに加筆 , https://cdn.paris.fr/paris/2023/11/21/livret-jardin-de-reuilly-un-quartier-transforme-apaise-et-vegetalise_compressed-FbLC.pdf

本事例集には、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の下で推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築」(研究推進法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)(NEDO管理番号:JPNP23023)の成果が含まれています。




