受賞技術概要
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第16回国土技術開発賞
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- 第16回国土技術開発賞
入賞(選考委員会委員長表彰)
植物の特性を利用した防草技術 (第16回国土技術開発賞 入賞)
応募技術名称 | 植物の特性を利用した防草技術 |
副題 | 雑草が自ら成長を止める次世代ブロック |
応募者名 | 全国防草ブロック工業会 |
技術開発者 | 〔全国防草ブロック工業会〕矢野 明正/〔防草研究会〕石川 繁 |
技術の概要
1.技術開発の背景及び契機
車道や歩道(構築物)には境界ブロックや側溝ブロック(構造物)を利用し、自動車・歩行者などの生活利用者の安全対策、天候などの自然災害から安全環境を保つ為に構築されている。しかしコンクリートブロックと舗装材の接地部分は必ず目地構造となり、素材伸縮、交通振動、経年劣化などの原因で目地が剥離し至る箇所で多くの雑草が成長している。路盤の宿根からの成長と、風雨による上部からの種子流入により繁殖する。全国的に維持管理費用(草刈、防草テープ、防草シール、他対策)の削減、一部効果を期待できない従来技術や多年生植物による発生理由も重なり、防草対策が実施できないところも多く各所で問題視されている事実もあり、実証研究の契機となる。
2.技術の内容
植物の持つ「屈性」に着目し数年間の実証研究から得た防草技術をコンクリート二次製品に採用する。植物の芽や茎は上へと成長(屈光性)し、根は重力を感知し下方向へと成長(屈地性)する性質を「屈性」と言う。植物は成長する為にいくつかの植物ホルモンの調整を受けながら成長を続けており、屈性には植物ホルモンの1つ「オーキシン」の分泌に調整されている事が分かっている。植物が成長しようとする目地構造を本来の成長方向とは逆向きとすることで、そのオーキシンンの分泌が異常となり植物が自ら成長を止める事となる。予め設置するコンクリートブロックの目地構造を防草の為の実証研究から得た目地構造を採用(変更)するだけで、従来の防草工事、製品、技術など使用する事なく目地部への防草効果を経年させる事ができる。
3.技術の効果
@従来から実施している防草技術が不要となる。(薬剤、草刈り作業、防草シール・テープ・目地材等)
A目地が剥離していても路盤から成長する雑草の成長は止まる。
B国、県、市町村で多くの維持予算を掛けていた維持管理費を軽減させ、他の公共工事拡張へ繋がる。
C従来技術と違い、雑草が自ら成長を止め経年効果を実現する。
D花粉症と通学路安全確保など交通障害の減少、バリアフリー維持、景観維持により苦情も減少。
E次世代ITSシステムに対する雑草障害を解決。
F何も使用せず雑草が自ら成長を止めるから、環境負荷はゼロ。
4.技術の適用範囲
@雑草にとって100%の生存条件(大気、水、光、土壌、気温)を満たしていても防草が可能。
A道路(歩車境界、中央分離帯、側溝その他)及び目地部となる構造物や構築物。建築物。
5.技術の適用実績
平成22年度22号枇杷島電線共同溝名西西工事 名古屋国道事務所 (他221件)