JICE 一般財団法人国土技術研究センター

JICEレポート

JICE REPORT 第31号

表紙

徳川家康の入府によって、江戸は急速に拡大していく。
 当初は小石川上水(後の神田上水)、溜池上水で賄っていたが、これらの上水では人口増加に追いつけず供給不足であった。このため、多摩川から上水を引く計画をたて玉川上水を開削した。
 羽村取水堰は、玉川上水の取水口として1654年(承応3 年)、 玉川上水開削時に設置される。 現在の形態(コンクリート)になったのは1900年(明治33年)である。
 設置当時の堰は、不透過の固定堰が多く、出水時に上流部で氾濫がおきやすかったが、羽村堰は透過性のある固定堰と、不透過だが可動という投げ渡し堰の2つの堰で構成されている。
 投げ渡し堰とは堰の支柱の桁に丸太や木の枝を柵状に設置する方法であり、大雨時に多摩川が増水した場合、玉川上水の水門の破壊と洪水を回避する目的で、堰に設置した丸太を取り払って多摩川下流に流す仕組みになっている。
 今も設置当初と変わらない仕組みを利用している。

もくじ

ページ番号 内容
001

第31 回 技術研究発表会について

002

研究報告

水害リスクマネジメントの現状と展望

●河川政策グループ 研究主幹 / 岡安 徹也

008

河川堤防の雨水排水による被災と対応

河川政策グループ 首席研究員 / 佐古 俊介
元 河川政策グループ 上席主任研究員 / 延常 浩次

012

建築物のバリアフリー化の促進に向けて

都市・住宅・地域政策グループ 首席研究員 / 沼尻 恵子
都市・住宅・地域政策グループ 研究主幹 / 伊藤 伸一

016

高速道路における天然ガスパイプライン設置に関する技術的課題の検討

●道路政策グループ 上席主任研究員 / 丸山 大輔
元道路政策グループ 首席研究員 / 加藤 真司

026

アスファルト舗装の長期保証

●道路政策グループ 主席研究員 / 中村 博康
道路政策グループ 主席研究員 / 綿谷 茂
理事 / 三浦 真紀

030

工事記録映像の活用に関する研究

●技術・調達政策グループ 研究主幹 副総括 / 横地 和彦
国土交通省道路局環境安全課 地域道路調整官
(元国土技術研究センター 技術・調達政策グループ 研究主幹 副総括)/ 清水 将之

034

国土政策研究所 講演会

自然災害時の危機管理について

●公益財団法人 河川財団 理事長
京都大学 経営管理大学院 客員教授 / 関 克己

051

論説

道路財源の論理

●理事 / 三浦 真紀

070

事業紹介・事業報告

JICE 研究開発助成

●情報・企画部 上席主任研究員 / 藤村 万里子