JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第13回国土技術開発賞

優秀賞 ハーフプレキャスト工法を適用した鉄道ラーメン高架橋の構築方法 技術開発者 王 肇明

第13回国土技術開発賞 ハーフプレキャスト工法を適用した鉄道ラーメン高架橋の構築方法
技術開発者 川田建設(株)  王 肇明

受賞にあたって

 国土技術開発賞優秀賞を賜り身に余る光栄を感じております。ハーフプレキャスト部材を用いてRCラーメン高架橋を構築する本技術は、開発から実施工での適用にいたるまで、多くの方々からのご支援やご助言を頂いたことにより実用化が達成できたものであり、皆様には心から御礼申し上げます。
 鉄道営業線直上で夜間の限られた時間の中で、ハーフプレキャスト部材の架設を確実に行い、部材製作をより簡略化できるように各部材の取り合いを決定してあるものの、部材の製作精度が現場作業の効率に大きく影響するので、現場施工と連携を図った部材製造方法等の開発に携わらせて頂きました。

 本技術は、主に都市部での交通渋滞や地域分断など、地域発展の阻害要因となっている「開かずの踏切」を解消すべく、鉄道の連続立体化事業を進めるに当たって、工期の短縮、工費の縮減、より安全な作業環境の確保や工事による騒音の低減など、企業者、近隣住民や関連事業者などそれぞれに利益をもたらすものであります。「京急蒲田駅付近連続立体交差事業」で本工法を採用頂き、全体事業期間の短縮、苦情ゼロ、事故ゼロに寄与したとお褒めの言葉を頂きました。

受賞後の動き

 鉄道の高架化事業は各地で計画されております。それぞれの事業で固有の構造的な特色や工事を進める上での制約条件など、様々な課題を都度克服してゆくことが必要になります。本技術を多くの工事に生かして頂くため、これまでの経験を生かし、より効率的で安全に作業が進められるように、更なる工法の発展に取り組んで行きたいと思います。