JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第15回国土技術開発賞

入賞 UFCブロック耐震壁法 技術開発者 三輪明広 受賞コメント

第15回国土技術開発賞 入賞 UFCブロック耐震壁法
技術開発者 戸田建設(株) 三輪 明広

受賞にあたって

建設分野においては、開発された技術そのものを対象として表彰する事業とし、我が国唯一のものとされている「国土技術開発賞」を受賞することができ、大変嬉しくありがたく存じます。 技術開発において、わたくしは「弛まず耳を傾ければ豊かな智慧を学べる。」というエマソンの言葉が開発の要諦であると考えています。また、技術開発の際に大切にしていることは、「飛耳長目」という事です。吉田松陰は思想家であると同時に、「現場の人」でありました。人と会い深く観察して見聞を広げる。これが開発の原点であると痛感しています。

 鋼管コッター工法を適用した耐震補強工法は、開発して10年以上が経ち、全国で220件以上の耐震補強工事に採用されました。その中でも、今回受賞いたしました「UFC耐震補強工法」は知事公舎をはじめ、病院など多くに採用されています。技術開発と工法展開は1人ではできません。今回の受賞は技術研究所をはじめ多くの方々と一体となって成し遂げた結果であると感謝しております。

受賞後の動き

 既存建築物の耐震補強では、東京都が災害発生時の輸送ルートを確保するために指定した緊急輸送道路に面した建築物の耐震診断・改修を促す制度を開始しました。国や他の自治体も関連予算を厚くし、取り組みを後押しています。首都直下や東海・東南海・南海など大規模地震の発生懸念が高まる中、建築物の耐震補強もさらに拡大すると見込まれます。

 鋼管コッター工法を間接接合部に適用した「UFCブロック耐震補強工法」をさらに広く展開し、耐震化率向上に寄与してまいります。