JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第15回国土技術開発賞

優秀賞 2段タイ材地下施工法 技術開発者 中村泰 受賞コメント

第15回国土技術開発賞 優秀賞 2段タイ材地下施工法
技術開発者 (株)大林組 中村 泰

受賞にあたって

 この度は、栄誉ある第15回 国土技術開発賞「優秀賞」を賜り、身に余る光栄に存じます。本技術の開発と実用化に際し、様々な方々からのご指導、ご支援をいただきましたことをこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。

 2段タイ材地下施工法は、岸壁の耐震性能の強化や大水深化に対応するため、既設岸壁を有効利用し、かつ岸壁を供用しながら改良工事が可能であることをコンセプトに開発いたしました。初めて採用していただきました仙台塩釜港雷神埠頭では、一日おきに船舶が接岸し、荷役作業がある中、荷役作業に影響を及ぼすことなく改良工事を実施できました。施工に際しては、様々な課題もありましたが、国土交通省 塩釜港湾・空港整備事務所の皆様のご指導のもと無事工事を終えることができ本当に感謝しております。

 平成22年11月の完成から約半年後、平成23年3月11日に東日本大震災に見舞われました。『仙台でお世話になった方々や雷神埠頭も大丈夫か?』と心配したのをはっきりと覚えております。その直後に現地に赴き、被害がなかったことが確認でき、雷神埠頭に緊急物資輸送用の巡視船が接岸しているのを見て、「少しは社会に貢献できた」と思ったことを今でも思い出します。

 今回の受賞は、本当にいろいろな方々の多大なるご協力をいただき受賞できたものと思っております。ここにあらためて感謝の意を込めて、御礼申し上げます。

受賞後の動き

今後は、施工実績を積み重ね、更なる施工性の向上を図りたいと考えています。

 そして本技術が、港湾における岸壁補強対策として有効活用されることを、開発者のひとりとして微力ながら貢献していきたいと思っています。