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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

第9回国土技術開発賞

最優秀賞 石垣修復支援システム 技術開発者 山内 裕之 受賞コメント

第9回国土技術開発賞 最優秀賞石垣修復支援システム  (3Dモデル配置システム)
技術開発者 山内 裕之

受賞にあたって

最優秀賞をいただき、本当にありがとうございます。

城郭の石垣修復工事は、単に石垣を解体し、改良・組立する工事だけでなく、普請当時の歴史もひも解くことが重要です。そのためには古の石工が何を考え、何をしたかと言うことも推測しながら、工事を進めて行く必要があります。中之門石垣は、1658年にその原形が肥後細川藩により普請され、1703年には地震で崩壊し鳥取池田藩が大規模な修築を行っています。今回工事では、多量の楔状の敷金、抑え石垣、大鎹(かすがい)の出土等、各々の時代における石垣普請時の工夫の後が見られました。

「石垣修復支援システム」は石垣の安定性を向上させつつ、普請当時の古の石工の技術や考えを現代の修復に再現させることを目的に開発しました。本システムには、石工の技と目、学術経験者の貴重な経験や意見を反映させました。その開発、運用は地道な作業であり、華々しいものではありませんが、このような賞をいただき感謝いたします。この栄誉は、工事に携わったメンバー全員の努力の結晶といえます。

貴重な機会を与えて下さり、共にシステム開発に取り組んでいただいた宮内庁の方々、 貴重なご意見をいただき、ご指導賜った皇居石垣修復委員会ならびに千代田区教育委員会の方々、施工にあたり全面的にご協力いただいた協力業者の方々にこの紙面を借りて御礼申し上げます。

受賞後の動き

「石垣修復支援システム」をよりレベルアップし、使い易くしてゆきたいと思います。今後は、打込接(うちこみはぎ)、切込接(きりこみはぎ)等の日本の城跡で良く見られる石垣での運用、各作業の迅速化と自動化、文化財調査業務との連携強化、櫓等の建築物復元計画への展開等を行い、日本全国で行われている城跡の修復、復元事業に協力できればと思います。また、より多くの石垣に展開し、経験、情報を蓄積することにより、我が国の文化遺産と伝統技術の継承・記録に貢献できればと思います。

3次元測量技術を基本とする今回のシステムは、石垣の修復事業のみならず、多方面への展開が可能であり、今回培った技術を応用・展開してゆきたいと思います。