JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第10回国土技術開発賞

最優秀賞 太径曲線パイプルーフ工法 技術開発者 田辺 清 受賞コメント

第10回国土技術開発賞 最優秀賞 太径曲線パイプルーフ工法
技術開発者 田辺 清

受賞にあたって

長い間検討を重ね開発・実施した「太径曲線パイプルーフ工法」が、このような名誉ある最優秀賞をいただいたことは、大変光栄に思います。

本工法は、既設の併設シールドの間に太径曲線パイプルーフを設置し、それを山留部材として、シールド間を掘削し、地下構造物を作る工法です。このように、地上よりの開削を行わず、地下で大空間を作ることのできる画期的な工法と認識しています。

開発に際し、基本開発、現場に適用するための要素開発、設計検討、現場での実施工、そして工法の拡張技術としての上向き実験と皆で課題を抽出し、解決に向け議論しながら進めてきたことが、具体的に結実し、評価されたものと喜んでいます。

特に、太径曲線パイプルーフを発進側の既設シールドの主桁間より到達側の主桁間に向けて正確に掘削・設置することがポイントであり、掘削精度を確保するために、パイプルーフ内での掘進機の位置計測方法についていろいろな工夫をしました。

その甲斐もあり、首都高速中央環状新宿線富ヶ谷出入口トンネル工事で、精度良く所定の目標を達成し、無事 太径曲線パイプルーフで既成のシールドを繋ぐことが出来たことは、感慨深いものがあります。

また、開発・施工にあたり、大変な数の方々の協力と応援がありました。ここに、感謝をこめて、お礼を申し上げます。

受賞後の動き

業務を通じて、このような価値のある賞を戴いたことは、今後の業務に対して前向きにチャレンジし、技術に対し益々精進しようと思います。

また、太径曲線パイプルーフ工法と細径の曲線ボーリング工法の普及を目的に設立した「NEW TULIP工法研究会」の技術委員長として、実績のある地下空間構築工法としての本工法の紹介・普及・検討を通じて、発展に寄与するつもりです。