JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞者の声

建設分野の新技術への挑戦

第14回国土技術開発賞

最優秀賞 URUP工法 技術開発者 三木慶造 受賞コメント

第14回国土技術開発賞 最優秀賞 URUP工法
技術開発者 (株)大林組 三木 慶造

受賞にあたって

この度、URUP工法が国土技術開発賞の最優秀賞を受賞したことは、身に余る光栄であり、開発者の一人として言葉では言い表せない感動を覚えました。

立体交差地下化の急速施工を目指し、"地上発進・地上到達のシールド工法"、URUP工法の開発をはじめてこの3月で丸9年が経過しました。平成15年10月に新聞発表して以来、大きな反響に背中を押されて、翌16年には、10uの実規模断面をもつ矩形シールドで実験工事を行いました。当社ではこれだけ大規模な実験を、しかも異例のスピードで行うことは過去に例がなく、社内に大きな協力体制の輪が広がり、世界初の地上発進・地上到達URUP工法実験工事が始まったわけです。

同じく今回受賞の栄に浴した井澤さんは、5か月もの間泊まり込みで実験を指揮してくれました。私は開発の責任者として毎日本社と往復し、現場の皆さんと議論を重ね夢を語りつつ、この実験工事を見つめてきたことが懐かしく思い起こされます。

世界初の地上発進・地上到達シールドの実験から、実工事を施工するうえで多くの知見を得ましたが、それにも増して事業者、学識経験者はじめ多くの関係者に実際の施工状況を見て頂き、開発の着眼点と実験の状況をご理解、評価頂いたことに大きな意義があったと感じています。

平成17年に建設技術審査証明を取得した後、平成20年以降受注した3件のURUP工法適用工事は、いずれも何の不都合もなくこの5月までにシールド掘進を無事完了しております

このような時期に、大きな賞を受賞するわけですが、一連の開発期間を振り返りとても感慨深いものがあります。この間、苦しいときに応援してくれた社内の方、URUP工法の開発を後押しして頂いた学識経験者はじめ関係する多くの皆さまには大変お世話になりました。末尾ながら、この場をお借りし改めて厚く御礼申し上げます。

受賞後の動き

今回の受賞をバネにし、実工事3件から得られた知見を基に、実績を生かした地上発進・地上到達工事、また当初の開発目標であった道路、鉄道のアンダーパス工事にURUP工法が適用されるよう開発を続けていく所存です。

URUP工法が日本の、世界の交通インフラ整備事業に多少でも貢献できれば、長い間シールド工事やURUP工法の開発に携わってきた者として、この上ない喜びです。