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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

第17回国土技術開発賞

最優秀賞 過給式流動燃焼システム 技術開発者 鈴木 善三 受賞コメント

第17回国土技術開発賞 最優秀賞 過給式流動燃焼システム
技術開発者 国立研究開発法人産業技術総合研究所 氏名:鈴木 善三

受賞にあたって

このたびは、国土技術開発賞という名誉ある賞をいただき、光栄に思います。また、本技術の開発は、土木研の関係者、実用化にあたった企業の皆様の努力によるもので、心より御礼申し上げると共に、開発の一翼を担えたことを嬉しく思います。

 私は石炭の流動層燃焼の分野で長年研究を続けて参りました。その中で、最後にたどり着いた技術が加圧流動層燃焼ですが、この技術はそれまでの固体燃焼装置とは一線を画す高いポテンシャルを持った燃焼装置です。ただこの技術は大型の複合発電の分野にしか利用できないというのが学会・産業界の「常識」でした。そして、本家の石炭利用分野では残念ながらこの技術は、大型複合発電技術としては多くの問題を抱えて技術開発は停滞してしまいました。その当時、燃焼装置としての高いポテンシャルを活かせる新たな利用法はないかと模索しておりましたところへ、この技術を下水汚泥焼却炉へ転用するというアイデアを持ち込まれました。正直驚き、また、石炭での状況から実用化には不安がありました。しかし開発者一同でプロセスの検討を続けた結果、特にガスタービンから過給機への変更がブレイクスルーで、実用化の見通しが得られました。

 今回の技術開発は、結果的に廃棄物焼却分野では、世界で初めて加圧流動層燃焼を用いたプロセスを実用化した例になったと思われます。特に実機は予想以上の省エネルギー性を示し、開発者の一人として驚いております。今回の技術開発は、ある分野で落第であった技術でも、目的や評価軸が異なる別の分野なら充分転用・活用ができることを示した好例だと思います。今回の開発が、技術者、特に若い技術者の皆様への教訓になれば幸いです。

受賞後の動き

私自身は来年3月で定年を迎え、産業技術総合研究所を離れますが、引き続きこの分野で何らかの係わりを持ちたいと考えております。また、産業技術総合研究所は今回開発した技術のブラシュアップに貢献したいと考えており、流動層燃焼に関する研究は今後も続ける所存です。各省庁の研究機関が集まるつくばの特色を活かして、今後も今回のような省庁横断型の研究開発に取り組みたいと思います。