JICE 一般財団法人国土技術研究センター

新着情報

社会資本に関するインターネット調査結果(速報版)のお知らせ

掲載日時:2017/07/24

調査目的等

 一般財団法人国土技術研究センター(JICE)は、「安全に安心して暮らせる国土」「人・もの・情報が効率的に通いあえる国土」「心豊かに暮らせる快適で美しい国土」の実現を目指し、国民生活の向上に資する優れた調査・研究成果を提供することを目的としたシンクタンクです。

 今後のわが国の社会資本整備のあり方に関する検討を行うには、人口減少・超高齢社会の進行、自然災害の激甚化や社会資本の老朽化等の状況変化を踏まえるとともに、多様化・変化している国民の価値観・ニーズやその変化の状況等を適切に把握し、現在の社会資本整備・管理の状況等を勘案した的確な論点整理や議論が行われる必要があります。

上述したJICEの役割及び社会資本整備のあり方についての問題意識の下に、下記のとおりインターネット調査を実施しましたので、その調査結果(速報版)をお知らせいたします。

この調査結果が社会資本整備のあり方に関する健全な議論に繋がることになれば幸いです。

調査結果の概要

調査概要

  • 調査対象 : 全国18歳〜79歳男女 3,000サンプル
  • 調査期間 : 2017年4月28日(金)〜5月10日(水)
  • 調査方法 : インターネット調査

ダウンロード

調査結果のポイント

社会資本整備の重要度及び評価:(速報版P6)

国民の、安全・安心な社会、活力ある社会、心豊かな社会に対する希求は強く、社会資本整備の重要度が低いと答えている回答者は非常に少ない。
ただし、社会、国土形成に関する現状評価については、「どちらともいえない」と回答している人が半数に近く、その割合は、居住する地域よりも、日本全体での傾向が強くなっている。

⇒ 評価するに足りる情報がないのか、評価することが難しいのかは不明であるが、国民に社会資本整備の状況等に関する的確な情報提供等を行い、社会資本整備のあり方についての健全な論点整理と議論が行えるようにする必要性が高いことを示唆している。

社会資本充実度:(速報版P9〜10)

地域間での充足度評価の格差が大きい。
「充足している」と「充足していない」の比率は、居住地域28.6%>24.6%、日本全体25.9%>20.9%。居住地域の充足度評価が日本全体より高い。
なお、社会資本の充足度評価に関する地域間格差は大きい。特に、四国、北海道は居住地域、日本全体とも充足していないと評価。逆に、地方中枢都市、近畿は、日本、居住地域とも充足していると評価。

インフラメンテナンスに関する評価:(速報版P11)

国交省等による情報提供、メディアによる多くの報道、論調にも関わらず、インフラ維持管理・更新費用課題認知率5割程度にとどまる。特に、若年層と女性の認知が低い傾向がある。

社会資本整備のあり方、保全整備の進め方に関する評価:(速報版P12)

安全・安心を高める社会資本整備に重点を置き、中長期の全体像を描いた上で財源を確保、社会資本整備を計画的効率的に進めていくことが求められている。
その際、住民、地域の意見等を十分に取り入れ、国民との役割分担を行えるような仕組み、民間事業者のノウハウ等を活用すること、効率の観点だけでなく公平の観点も重視すべきことが求められている。

日本とあなたの住む地域の将来(予測とあるべき姿):(速報版P15〜19)

なりそうなのは「衰退する日本」、なるべき姿とのギャップが大きい。
日本の将来予測、あるべき姿「なりそうな日本」と「なるべき日本」(かっこ内)は、「衰退する日本」なりそう47.3%(>なるべき13.9%)、逆に「活力を保持した日本」なりそう11.7%(<なるべき36.8%)、「成長する日本」なりそう5.3%(<なるべき22.4%)、なりそうなのは衰退、定常社会の日本、なるべきなのは活力保持、成長する日本、そのギャップは大きい。将来予測に関しては地域間での評価格差がみられた。

今後の社会資本整備予算等:(速報版P22)

今後の公共事業の予算に関して、20年前の予算と平成29年度予算の実態を示して訊いたところ、「増やしていくべき」7.4%+「増やさざるを得ない」33.9%の計は41.3%、「平成29年度程度とすべき」は34.3%、「減らしていくべき」+「減らさざるを得ない」の計は24.4%となっている。

⇒ 予算に関する態度と社会資本に関する充実度・評価の相関等に関しては、今後の分析課題となるが、今後の社会資本のあり方については、Q23において「中長期の全体像を描いた上で、財源をきちんと確保し、計画的効率的に進める」が最も強い支持を受けていることを勘案すると、予算的な裏打ちを持ったインフラ整備に関する中長期的な計画を作成するとともに、インフラ整備と国民生活の関係についてわかり易い、十分な説明を行い、計画的にインフラ整備及びメンテナンスを推進できる仕組みを再構築する必要性が高いことを示唆している。
また、日本全体を支える高速道路等や国際ハブ空港等の広域のエリアを視野に入れた社会資本の整備については、国民にとって身近なものとして感じにくいため、広域的・中長期的な視点からの論点整理と議論が非常に重要であることを示唆している。

今後の分析、公開予定

属性分析、質問間クロス分析、クラスター分析などを進め、平成29年10月末に調査報告書、調査基本集計データ、調査原データを公開予定。