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国土技術開発賞

入賞 拡頭リング工法 技術開発者 大槻 明・磯田 和彦・田中 宏征・小林 洋一 受賞コメント

第9回国土技術開発賞 入賞拡頭リング工法  現場溶接がなく、高耐力でローコストな革新的杭頭接合工法
技術開発者 大槻 明・磯田 和彦・田中 宏征・小林 洋一
拡頭リング設置状況を確認する清水建設(株)開発推進担当者【写真左】(清水建設(株)技術研究所の施工現場にて)

■受賞にあたって

開発者の夢 〜 安心安全な杭基礎接合部の開発

 開発者の長年の夢と熱意が、困難な課題である「基礎と杭頭を確実に接合できる経済的で、耐震性な技術」に新たな道を築きました。本技術は、杭頭部と建物基礎を剛接合して、既成杭の耐震性を向上させ、短工期で高品質な施工を可能にする技術です。

 近年、建設コストを抑える目的から、少ない杭本数で建物を支えることができる「高支持力既製杭」を採用するケースが増えています。この高支持力既製杭を使うには、杭頭と建物基礎との接合箇所を補強して、杭と同等の耐力を持たせる必要があります。しかし在来の接合技術では、杭の支持力が高くなるほど、杭頭と基礎に定着する鉄筋が増えすぎて、施工しづらくなるという課題がありました。

拡頭リング工法とは

 「拡頭リング工法」は、鋼鉄製の「リング」を使って、杭頭部と建物基礎を剛接合しその接合部を補強することで、大地震の際も杭頭部の損傷を防ぐ工法です。拡頭リングは、杭径の1.5倍の径を持たせた茶筒のような形状で、底に杭とほぼ同径の穴が開いています。これを予め工場で生産し、現場で杭頭の上からかぶせてコンクリートを充填するだけで、接合は完了します。杭と接合部を繋ぐための鉄筋溶接などの工程がいらず、単純作業だけで施工できるため、天候によらず短工期で高品質な施工できることが本工法の特徴です。

 技術への信頼性を証明する(財)日本総合試験所の「建築技術性能証明」を取得しております。鋼管杭やSC杭などの既成杭の耐震補強に最適なほか、土木構造物にも適用が可能です。

開発者のよろこび

 安全性に優れ、十分な耐震性が発揮できる、独創性のある杭頭補強工法を考案し、最新の数値解析や精密な構造実験を通して汎用性のある設計法を構築することが、私たちの役割でした。さらに、本技術に関する得意先のご理解の下で、設計者、施工者の貴重な指摘を受け、改良を重ねることで完成した技術です。

 本技術は、建物完成後には基礎は地面の下にあるため、人目に触れることのない縁の下の技術でありますが、建物を安全に支える「確かな技術」として評価して頂いたことは開発者として大きな喜びです。

■受賞後の動き

 汎用性のある本技術を広く社会に認知して頂き、来るべき大地震の襲来に対しても建物基礎の安心安全を確保できる「確かな技術」を提案できるように推進していきます。

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