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国土技術開発賞

鋼矢板岩盤打込み工法の開発と実用化 (第6回国土技術開発賞 入賞)

■入賞(選考委員会委員長表彰)

応募技術名称 鋼矢板岩盤打込み工法の開発と実用化
副題 転用可能な特殊ガイド矢板を用いた岩盤への直接打込み工法
応募者名 大成建設(株)
技術開発者 大成建設(株)    渡辺耕一
クリモトメック(株) 三井康徳
共同開発機関 クリモトメック(株)

■技術の概要

1.開発の背景と目的

 鋼矢板を岩盤や玉石混じりレキ質土に直接打込む工事では、ウォータージェット併用バイブロハンマ工法では困難な場合、他の補助工法と組み合わせる必要がある。しかし、この場合は施工速度、コスト、特殊な基礎機械の使用や施工性に課題があった。本技術開発の背景と契機は、コスト縮減と工期短縮を目的として、高強度の低合金鋳物を鋼矢板先端に溶接した繰り返し使用可能な特殊ガイド矢板を考案し、電動バイブロハンマだけで直接岩盤に打込む工法を開発・実用化した。


2.技術の内容

 本工法で開発したガイド矢板は、繰り返し岩盤を砕くため耐衝撃性、耐磨耗性に優れた長さ50cmの低合金鋳物を鋼矢板先端に溶接し、さらにウォータージェット配管を艤装したものである。鋳物の先端刃口は、貫入抵抗を低減させるため鋭角に傾斜させ、タングステンカーバイトの肉盛り溶接を施し耐久性を高めた。施工法は、本設鋼矢板の内側にガイド矢板を密着させてバイブロハンマで挟み、所定の深度まで同時に打込んだ後にガイド矢板を引き抜いて繰り返し使用する「抱き合わせ工法」と、ガイド矢板を先行して打込み、引き抜いた後に本設鋼矢板を打込む「先行掘り工法」を地盤性状に応じて選択する。


開発コンセプト
▲図1 鋼矢板岩盤打ち込み工法の開発コンセプト
鋼矢板岩盤打込み工法
▲写真1 鋼矢板岩盤打込み工法の成果


先端補強材
▲写真2 先端補強材
特殊ガイド矢板
▲写真3 特殊ガイド矢板


先端補強材
▲図2 先端補強材 先端部艤装図
打込み試験施工
▲写真4 打込み試験施工
(40N/mm2鋼管コンクリートへ
特殊ガイド矢板打抜き状況)


3.技術の効果

 一軸圧縮強度40N/mm2の凝灰質砂岩・泥岩における河川締切り工において、岩盤根入れ長さ2m以上の鋼矢板打込みで20枚/日を達成した。また、玉石混じりレキ質土、風化岩、及び岩盤への山留め鋼矢板打込みでは、打込み長さ14mで5枚/日を実現した。この結果、打込み施工費は各々4,500円/mと7,600円/mになり、従来の補助工法を併用する場合に比べて1/3〜1/2のコスト縮減を達成した。先端補強材は100回以上岩盤に繰り返し打込むことができるため、ガイド矢板の転用回数を延ばすことでさらなるコスト縮減を達成できることを確認した。施工は、クローラクレーンなど汎用性の高い機械を使用することにより、作業ヤードの制約や故障時の代替の容易さなど施工性を向上させることができた。また、鋼矢板の損傷、変形はほとんど発生しないため、リース鋼材の滅失費が激減した。環境面では、河川水の汚濁による生態系への影響は認められず、振動観測結果から離隔距離5mで振動規制法に規定された75dBをクリアーすることもできた。


4.技術の適用範囲等

  • 岩盤から玉石混じりレキ質土まで幅広い地盤状況に適用
  • 様々な条件の施工ヤードに対応
  • 自然環境や振動・騒音の規制に確実に適用

5.技術の適用実績

大里農地防災事業六堰頭首工工事、平成10年10月〜平成15年3月 他8件


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