●タウンモビリティとは?
・ イギリスで広く普及しているショップモビリティの概念をまち(タウン)に拡大し「タウンモビリティ」と名付けたものである(「英国のショップモビリティから日本のタウンモビリティへ」第2回すべての人にやさしいまちづくりシンポジウム資料(H9.1)より)・ タウンモビリティとは、電動スクーターや車イスなどを長距離の歩行が困難な人に貸し出して、町の中を自由に移動できるようにし、買い物や散策などを楽しんで頂くというものである。
・イギリスの関係者からの感想として「ショップモビリティはスポンサーを納得させるための側面があるが、本来は街中での移動を支援するものだから、タウンモビリティの名称がふさわしい」という理解を得ている。(「タウンモビリティと賑わいまちづくり」学芸出版社あとがきより)
・しかし、何を示すのかわかりづらいとの声あり(特に高齢者)わかりやすい和名「らくらくお出かけシステム」などの名称が必要と指摘もある。


・我が国では、1996年(平成8年)4月30日付けの日本経済新聞の記事((有)国際プロダクティブエージング研究所白石正明代表)により広く紹介された。
・その後福祉のまちづくりの推進に向けたシンポジウム(建設省主催、厚生省、運輸省共催)として1996年1月18〜19日に宮崎において開催された「第1回福祉のまちづくりシンポジウム」でイギリスのバートン市の事例が白石氏により紹介され、国内における取り組みへの呼びかけがあった。
・ 建設省のシンポジウムなどで紹介され、1997年の第2回福祉のまちづくりシンポジウムではタウンモビリティの実験を3都市(広島市(1996.11.6〜7)、武蔵野市(1996.11.24)、柏市(1996.11.25)にて行い、その結果を発表した。(その際に日本型ショップモビリティはタウンモビリティと命名した。)
・その後、各地でタウンモビリティ実験を開催されるなど、このシステムに対しての注目度は高い。
受付事務所(仮設)
柏市(1996.11.25)
エスコートのボランティアとともに
街を散策する利用者
<タウンモビリティ様々な展開例>
→商店街のモール内で、商業者主導で展開している基本形(青森、熊本、松山など)
→店舗内での活用
(ダイエーにおける実験 ⇒「タウンモビリティの我が国への導入と今後の展開」
H10.3 建設省大臣官房政策課報告書より作成)
→中山間地域での電動スクーターの活用(島根県石見町・桜江町)
→観光地でのスクーターの貸し出し(輪島の朝市)
→公園で入園者に対して貸し出したパークモビリティ(国営備北丘陵公園など)
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・ 中国地域におけるタウンモビリティ活動(タウンモビリティ楽会) 中国地域づくり交流会 http://www.c-haus.or.jp/townmobility/index.html バリアフリー協会 http://www.bfa.gr.jp/index.html ダイエー http://www.daiei.co.jp/kouken/syakai/kouken1.html |
・ これまでの実験等の活動の成果が少しづつ実り始め、1999年10月頃より、国内においても、タウンモビリティを本格的に導入した常設貸出し事務所が開催されつつある。(→オフィス開設に関する動向)
・ しかしながら、オフィスを開設し、電動スクータを常備するという条件が整っても、利用者の伸び悩み、運営費の確保等の問題がない訳ではない。
・ イギリスと日本の違いについて、大ざっぱに分類すると以下のようであると考えられ、これらの考えうる要素の克服なども含めて、今後の我が国におけるタウンモビリティの展開を考えていく必要がある。
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イギリス |
日本 |
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中心部の歩行空間化(自家用車の閉めだし) 商業施設(商店街、SC)、公共施設などが立地 |
歩行での移動不可能な広さ 車などの入り込み(歩行者空間化困難) (例外的にモール化された歩行空間=(アーケード) |
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アクセス |
公共交通機関で整備 駐車場からまちへのアクセスを配慮 |
公共交通機関の移動制約者への配慮不十分 駐車場からまちへのアクセス配慮不足 |
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チャリティの 意識の差 |
ボランティアへの参加、利用に抵抗ない |
利用する側も慣れていない |
※STS(スペシャルトランスポートサービス:家から目的地までのドア・ツウー・ドアのサービス)
《まちづくりにおけるモビリティの必要性》
高齢社会におけるまちづくりには、
「高齢者の地域生活を拡大するための安全で快適な移動(モビリティ)を保証する」
とが高齢者等の生活の質を向上する上で、重要である。特に交通機関の結節点や、公共、公益施設などが集中するまちの中心部についてそれらを保証するための早急な整備バリアフリー化が求められている。
《モビリティ確保の観点》

(回遊型のモビリティの確保)
駅を中心として、様々な施設が立地しているまちの中心部は、歩行者を優先したバリアフリーなまちづくりを行い、まちの中では施設間を安全、快適に回遊できるようなモビリティを確保する。(線型のモビリティの確保)
一方で、家からまちへまたは旅行などの目的地へ線的に移動するためのモビリティは別途公共交通機関などの整備により確保していく必要がある。まちの中心部をバリアフリー化したとしても、長時間の歩行が困難な人(高齢者など)にとっては自由に回遊できる訳ではない。その時に商業施設に併設された駐車場などの近くにタウンモビリティのオフィスを備え、スクーターなどの機器を貸し出すソフトとしてシステムを組み合わせることが有効と考えられる。
また、タウンモビリティの活動により、街中のバリアに対する問題意識が高まり、ますます改善(バリアの解消)が進むという効果も期待できる。
《導入のねらい》
まちのバリアフリー化(ハード)と
歩行者を支援するタウンモビリティというソフトを組み合わせることによって
まちバリアフリー(ハード整備)効果をより高めることが期待できる。→このように、タウンモビリティは高齢社会に向けたまちづくりにとって、歩行者を支援する新しいシステムとして様々な可能性を秘めているのである。