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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第8回国土技術開発賞

入賞(選考委員会委員長表彰)

構造モニタリングによる建物健全性診断システム

応募技術名称構造モニタリングによる建物健全性診断システム
副題振動・変位モニタリングによる地震後の迅速な健全性診断
応募者名清水建設(株) ※
技術開発者清水建設(株) 熊谷仁志
        岡田敬一

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 構造物にセンサを取り付け、その損傷・劣化状況を診断・評価する技術は「構造ヘルスモニタリング」と呼ばれており、国内外のさまざまな機関で研究が行われている。最近になって、地震による人命の損失だけでなく経済的損失にも注目が集まるようになり、民間企業においても事業継続計画(BCP)の重要な要素である地震直後の建物健全性診断に対する関心が高まってきている。

2.技術の内容

 今回開発した「構造モニタリングによる建物健全性診断システム」は、対象建物に振動・変位センサを設置し、地震時にそれらのセンサから得られるデータを迅速かつ正確に取得し、建物の健全度あるいは被災度を診断するものである。「オンラインシステム」は複数の建物を本社等で一括管理するようなユーザに適している。地震による揺れを感知すると各建物で自動的にデータが取得され、データは直ちにモニタリングサーバに転送される。各建物のデータはモニタリングサーバ上で地震後5分以内に分析・診断される。診断結果はインターネットを利用してモニタリングサーバにアクセスすることによりどこからでも閲覧することができる(図-1、写真-1)。「オフラインシステム」は個別の建物を管理するようなユーザに適したものである。最大・累積変位量を記憶するセンサと、その値を読み取って診断を行う非接触計測装置で構成される(図-2)。センサは機械的な仕掛けにより無給電で変位の最大値や累積値を記憶できるようになっている。図-3に示すように1台のセンサで、最大変位、最小変位、現在変位、累積変位が精度良く検出できる。写真-2はオフラインシステムを適用した建物事例である。この事例では制震ブレース(鋼材ダンパー)に変位記憶型センサが設置され、最大変位から最大層間変形を計算して建物各層の被災度を診断し、累積変位から鋼材ダンパーの疲労損傷を診断している。

 

3.技術の効果

 

オンラインシステムでは、健全性診断のソフトウェアをモニタリングサーバ上で共通化することで、従来の約1/2にコストダウンすることができた。これまでに新潟県中越地震(2004/10/23,M6.8)などを経験しているが、いずれも地震後5分以内に健全性診断結果が閲覧できることを確認している。

 オフラインシステムでは、変位記憶型センサ自体が地震による最大変位や累積変位を記憶しているため、従来の約1/3のコストでの建物の健全性を診断することができ、数値表示だけでなく、計測時に赤、黄、緑の表示がされるため、特に専門的な知識がなくても応急的な判断をすることができる。

4.技術の適用範囲等

通常の建物であれば適用可能

5.技術の適用実績

東京大学(本郷)工学系総合研究棟、平成17年10月〜実施中 他12件