JICE 一般財団法人国土技術研究センター

受賞技術概要

建設分野の新技術への挑戦

    • 第9回国土技術開発賞

入賞(国土交通大臣表彰)

連続サイホン式取水設備 (第9回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称連続サイホン式取水設備
副題低コストで維持管理が容易な選択取水設備
応募者名八千代エンジニヤリング(株)
技術開発者〔八千代エンジニヤリング(株)〕寺田 溥
共同開発者(財)ダム技術センター

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 沖縄県内にある羽地ダムの取水設備として、空気ロック式取水設備が採用され、技術開発及び設計を行った。これは選択取水性能において従来形式に比べ不利な部分があったが、建設コストの縮減や維持管理の省力化という社会的ニーズに貢献出来る可能性が感じられたため、従来形式と性能的に遜色が無い新形式の開発を行う必要性を感じた。

2.技術の内容

 逆V字型の取水管を上下方向に連続的に配置し、各取水管頂部の空気の出し入れにより開閉操作を行い、貯水池内の任意の水深から取水することが出来る選択取水設備。

3.技術の効果

 実績例として示した尾原ダムの場合、従来形式(多重式)では16.5億円程度の工事費であったが、連続サイホン式では9.2億円となり、40%以上の建設コスト縮減となった。設備規模によって異なるが、20%〜50%のコスト縮減となっている。

 ランニングコストの試算結果では、完成後50年間で必要な維持管理コストは、従来形式の約10億円に比べ、連続サイホン式は約6億円となり、建設コストと同様に約40%の縮減が可能となった。

4.技術の適用範囲等

 国内のダム規模であればほぼ全てにおいて適用可能

5.技術の適用実績

尾原ダム取水放流設備工事、平成18年3月〜平成22年3月   他4件