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助成・表彰・審査制度 / 国土技術開発賞

    • 第9回国土技術開発賞

入賞(国土交通大臣表彰)

海面処分場の容量拡大技術 (第9回国土技術開発賞 入賞)

応募技術名称海面処分場の容量拡大技術
副題キャップ付ドレーンを用いた真空圧密ドレーン工法
応募者名東京都港湾局
技術開発者〔東京都〕石山明久/
〔日本工営(株)〕大槻康雄/
〔五洋建設(株)〕山下 徹
共同開発者日本工営(株)/五洋建設(株)

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

 東京都では、都内の河川及び東京港内から発生する浚渫土や、23区から発生する廃棄物等を埋立処分する最終処分場として、新海面処分場の整備を進めているが、今後、さらに新たな海面処分場や受入適地を確保していくことは困難な状況にある。この新海面処分場は、東京港の海に残された最後の廃棄物処分場(写真−1)であり、廃棄物等の減量・資源化の取組を進め、可能な限り長く利用していくことが求められている。

 本技術はこうした背景を鑑み、東京都の廃棄物処理対策に寄与させるため、減量化が難しい浚渫土の処分容量を増大させる技術を開発したものである。

2.技術の内容

 浚渫土は可燃ゴミのように焼却し、体積を小さくして埋立地に投入することが困難である。そこで、処分場内の海底地盤を圧密促進させるという前例のない方法で、処分容量を増大させる技術を開発した(図−1)。

 浚渫土の受入れ容量を増大させるといった目的を考慮すると、海底地盤に負圧を作用させて圧密を促進する工法が最も適している。しかしながら、従来の工法では海面下での気密シートの敷設が困難を極めるため、海底面の粘性土層を気密シートとして利用する真空圧密ドレーン工法を用いて海底地盤を圧密沈下させる方法を開発した(図−2)。

 また、これまで経験のない海底地盤の圧密促進について、この工法の有効性を確認するため、試験工事を実施し、水上における施工の確実性や想定した沈下量確保の検証を行う(図−3、4)とともに、真空圧密ドレーン施工による既設護岸への影響も検討し、安全性についても問題のないことを確認し、実用性の高い工法であることを検証した。

  

3.技術の効果

 東京港の航路・泊地や河川工事等に伴って発生する浚渫土は、現在、埋立地などに投入・処分されている。しかし、近年では環境や地域的な面から、新たな土砂処分場や受入適地の確保が困難になってきている。本技術は、処分場内の海底地盤や土砂を適切な方法により沈下促進し、浚渫土の処分容量を増大させることを可能としたものであり、処分場の延命化に大きく貢献するものである。

 新海面処分場Cブロックだけでも、約200万m3の容量増大により約2年間分の浚渫土受入れ期間の延長が実現できる見込みである。今後、建設されるブロックにおいても実施していけば、さらなる処分容量の増大による延命化が可能となる。 

4.技術の適用範囲等

 基礎地盤が軟弱な粘性土から成る海面処分場に適用できる。適用対象となる処分場の地盤条件を以下に示す。

対象土質: 粘性土
対象地盤のN値: N値15以下
適用深度: 最大40m程度
適用場所: 海上の処分場

5.技術の適用実績

平成17年度新海面処分場Cブロック延命化対策(沈下促進)試験工事、
 平成17年10月〜平成18年3月
平成18年度新海面処分場Cブロック延命化対策(沈下促進)試験工事、
 平成18年6月〜平成19年3月